チャータースクール7
出典: Jinkawiki
親や教員、地域団体などが州や学区の認可(チャーター)を受けて設ける初等中等学校で、公費によって運営されるので、授業料の徴収はない。学校の規模は公立学校と比べ小規模。そこに通う在学者は個々の学校で人種構成に偏りが見られる。チャータースクールでは、州や学区の法令・規則の適用が免除されるため、独自の理念・方針に基づく教育を提供している。ただし、教育的成果をチャーター交付者により定期的に評価され、一定の成果を挙げなければチャーターを取り消されることもある。アメリカでは教育に関する権限は州にあり、チャータースクールに関する制度は州によって異なる。このためチャータースクールの設置許可の主体や設置許可数の制限の有無、教員免許を持たない者でも教員に採用するかしないかも、州によって様々である。チャータースクールでは通学区域を超えて児童・生徒を集められる選択制と一般の公立学校と同様原則としてすべての希望者を受け入れる無選抜制がある。
背景
人種や所得階層の住み分けによる教育条件の地域間(学区)間格差がアメリカでは頻繁に起きていた。それに影響されたのか基礎学力の低下による学力格差の拡大、薬物,暴力,ドロップアウトなどによる学校の荒廃も生じていた。1991年に米国・ミネソタ州でチャータースクールの設置を認める法律が成立。翌92年に同州で全米最初のチャータースクールが設置された。これに続き、92年にはカリフォルニア州で、93年にはコロラド州やジョージア州など6州で同様の法律が制定され、設置を認める州が増えるに伴い、学校数も増大した。 1997年の一般教書演説でクリントン大統領は2000年までにチャータースクールを全米で3000校にまで増やすことを提言した。
設置状況
チャータースクールは、2000年5月の時点で1689校(全米の公立学校の約2%)、在学者数は約43万名(全米の公立学校在学者の1%未満)となっている。また、設置を認めている州は、36州及びワシントンDC で、多くの州は設置数を制限している。財政において、経常費は学区が公費を配分するが、施設・設備費は設置者が負担することになっている。チャーターの期限は多くの場合数年5年程度である。
参考文献
希望としてのチャータースクール 大沼安史 本の泉社 2003年
チャーター・スクール アメリカ公教育における独立運動 鵜浦 裕 勁草書房 2001年
首相官邸 公式ホームページ内 教育改革国民会議 http://www.kantei.go.jp/jp/kyouiku/index.html