チュータースクール3
出典: Jinkawiki
チャータースクール
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概要
チャータースクールは「特許契約学校」とも訳される。新しいタイプの学校を自分たちの手でつくり運営したいと希望する教員、親、公私の団体などが、学校の設置許可権限を持つ州の教育機関と契約を結び、独自の教育理念で、自律的に学校運営を行う学校である。
特徴
自立性
チュータースクールは州、学校区によって定められた多くの法令規則の適応免除を受け、自律的に運営される。その結果、チャータースクールはカリキュラム編成、財政、人事などを独自に行うことができる。
責任制
チャータースクールの設立にあたっては、学校の教育目標とその達成方法、成果測定の方法などの組織運営、権利義務などが規定される。目標が達成されなければチャーターは更新されず、契約事項に違反があった場合にはチャーターが取り消される。つまり、チャータースクールは教育目標の達成と、生徒の期待に応えるための努力が常に求められる。
選択制
チャータースクールは従来の公立学校に替わる選択肢を提供する。学校区や通学区に基づき自動的に入学先が決まる公立学校と、学校区内外のチャータースクールを比較して学校を選択することができる。チャータースクールの運営費は、該当学校区の生徒一人当たりの運営費または州補助金に基づき、入学した生徒数に応じて金額が、学校区または州政府から支給される。この資金は、学校を転校する生徒に付随して移動するため選択の対象とされる従来の公立学校とチャータースクールの間には生徒及び資金獲得の競争が生じ、公教育全体の質の向上につながる。
チャータースクールの起源
チャータースクールの起源は教育専門家のレイ・バッドの『チャーターによる教育』の発表からだと考えられている。この提案をアメリカ教員連合のアルバート・シャンカー会長が支持したことが急激に広めることになる。1991年、ミネソタ州において全米初のチャータースクール法が制定される。そして、翌年ミネソタ州セントポール市に全米で最初のチャータースクールとなった「シティーアカデミー」が開校した。
チャータースクールの現状
2002の時点でチャータースクール法の成立している州が40州あり、そのうち学校が設立されている州が37州ある。校数にして2695校、生徒数で68万4495人が学んでいる。2001年から2002年の調査では、チャータースクールのカリキュラムで最も多かったのは基礎教育、大学準備、化学・数学・技術の順であった。また、チャータースクールの生徒構成は、マイノリティ及び低所得者の生徒が多い。一般の公立学校にいると「落ちこぼれ」になる心配があるために、チャータースクールに転校してきて学力の向上を果たそうとしている。事実、これらのマイノリティ及び低所得者の子どもの成績は上がっていることが明らかとなっている。初期のチャータースクールは、民間を主体とする任意の団体や大学、企業などがチャーターを取得して開設するケースが大勢であった。しかし、チャータースクールの成功の結果が多くなるにつれて、教育委員会がマイノリティ地区の公立校を転換させ、積極的に公立のチャータースクールを設立するようになった。
参考文献
大沼安史(2003)「希望としてのチャータースクール」本の泉社
加藤十八(2004)「アメリカの事例に学ぶ学力低下からの脱却」学事出版
アメリカにおける教育改革の一事例 http://www.ndl.go.jp/jp/diet/publication/refer/200303_626/062601.pdf