バーチャルウォ―タ―

出典: Jinkawiki

「バーチャル(virtual)」は「仮想である」とか「仮想の」という意味であり、「リアル(real)」=現実の反対語である。バーチャルウォーターは仮想水といも言われる。  農産物の生産や製品の製造、輸出入することは、その際に必要となる水(仮想水)を、購入者が間接的に消費したことになる。たとえば、日本は多くの農産物を輸入しているが、輸出国では栽培のために水が消費されており、それを仮に国内で栽培しようとすると多くの水、すなわち仮想水が必要となる。この、農産物の輸入によって日本が節約できた水資源を仮想水と呼ぶ。ここから、食料の輸入は、他国の水資源を間接的に消費していると言える。

●それでは、それぞれの食材にどれくらいの水が使用されているのか。

例) 食パン1斤――必要な水は500~600リットル

ステーキ200グラム――食卓に届けられるのに必要な水は、約4000リットル

東京大学の沖大幹助教授らは、仮想水の総輸入量は約640億立方メートル/年と推計しており、これは、日本国内での総水資源使用量約900億立方メートル/年の3分の2程度にあたる。また、そのうちの約6割がアメリカからであると推計している。ミネラルウオーターなどの輸入量は2000年において年間19.5万立方メートルであることから、年間3000万トンに及ぶ輸入食糧に含まれる間接的な水量は、直接的な水の輸入量よりはるかに多いものと考えられる。ただし、単位面積あたりの収量は環境によって異なるため、ある製品の単位量を生産するのに必要な水量は、国によって異なることに注意が必要である。  世界では約11億人もの人間が安全(で清潔)な飲料水を手に入れられず、約26億人がトイレなど基本的な衛生施設を利用できないでいる。一言でいえば「水不足」というのが、現在の地球の状態なのだ。また、急激な人口増加や地球温暖化によって、世界の水不足はさらに深刻化する。例えば、日本は1年間で約2400億立方メートルの水が利用可能で、使用量はそのうち約835億立方メートルと水資源に恵まれているようにみえる。だが、実は農畜産物の輸入という形で、海外の水に依存しているのだ。  農畜産業は水なしでは成り立たない。直接目には見えないけれども、“背後に”大量の水利用があって初めて私たちは食料などとして農畜産物の恩恵にあずかれる。この必要とされる水の量をカウントしたのが、「バーチャル・ウォーター」なのである。 深刻化している世界の水不足は日本にとって他人事でないどころか、食料不足などとなって日本を襲ってくる恐れがある。このことを私たちに分かりやすく示してくれるのが、バーチャル・ウォーターという考え方だ。日本は世界の水資源問題と深くかかわっていることを忘れてはならない。


参考・引用文献

http://www.nikkeibp.co.jp/article/tk/20100308/214572/

http://eco.goo.ne.jp/word/ecoword/E00281.html


投稿者:M


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