ファミリーメダリオン
出典: Jinkawiki
結婚というと、二人の男女の結びつきと考えがちである。現実には、結婚は家族と友人たちを結びつけるものでもある。結婚する二人にすでに子どもがいればなおさら、結婚式は新しい家族の誕生を宣言するものとなる。ファミリーメダリオンは新しい家族になるためのセレモニーである。 今日、アメリカでは結婚する4組のうち1組が以前の結婚からの子どもをつれて結婚している。結婚前にできた二人の実子がいる場合もある。ファミリーメダリオンはみんなが家族となる決意を宣言する家族としての結婚式をサポートするためのものである。最近まで、複雑な家族形態や、新たな親・兄弟姉妹と生活を共にすることで子どもの中にうまれる、複雑な感情に配慮した結婚式はほとんど存在しなかったが、子どもが結婚式でなんらかの役割を果たし、新しい家族の一員であることをあらわすシンボルとなるものを授かることで、子どもは両親の再婚を受け入れやすくなるということが最近の研究でわかってきた。
ファミリーメダリオンは3つが等しく集まった輪をかたどっている。2つの輪は結婚をあらわし、3つめの輪は家族における子どもの重要性をシンボル化している。何組もの結婚式を挙げるカップルが、子どもの年齢を問わず、時にはすでに成人した子どもに対してもファミリーメダリオンを特別な贈り物として結婚式で授けるという選択をしている。研究から、子ども達は男女の区別なくファミリーメダリオンに対して、結婚式で夫婦の間に交わされる結婚指輪と同等の重要性を感じることはわかっている。 ファミリーメダリオンを結婚式で授与する場合、新郎新婦が夫と妻になることを誓った後で子ども達ひとりひとりに渡すことが多いようである。新郎と新婦自身が結婚式でお互いにファミリーメダリオンを交換したり、自分の両親や祖父母へペンダントを授与することもある。 そのほかにファミリーメダリオンは、主に子どもを含めた家族の誕生を確認し、家族が素晴らしい関係をつくりあげるのをサポートするために作られた。結婚式のみならず、新しい子どもの誕生、洗礼、誕生日、記念日、祝日、母の日、父の日をはじめ、子どもが大学へ進学するときの記念に贈られるケースも増えてきている。 ファミリーメダリオンのシンボルである3つの輪は、それまで他人であった人を家族として受け入れる愛をあらわしている。ファミリーメダリオンは特定の宗教を想定していない。従来の伝統的な結婚式である神前結婚、仏前結婚でも問題なく授与することができる。
参考文献
『ステップファミリーの基礎知識』 野沢慎司 明石書店
『子連れ再婚を言い訳にしないで』 広瀬貴子 さぱりメント文庫