フィンランドの教育8

出典: Jinkawiki

フィンランド教育の現状

OECDが実施しているPISA調査(国際学力調査)でフィンランドは世界トップレベルにいる。その要因として、読解力の育成が挙げられている。 読解力と言っても、様々な文章から情報を取り理解することに関しては日本の子供も世界トップレベルである。 フィンランドの教育における読解力とは、 ・自ら論文を考え、スピーチをしたり、あるテーマに基づき討論したりする社会で生きて働く言語力の育成 ・様々な文章から取り出した情報をもとに、他の意見を持つ人と相互理解ができる言語力の育成 ・多様な情報を活用して、問題を解決したり、意思決定したりできる力の育成 ・読む、書く、話す、聞くという四言語活動を関連づける総合力の育成 ・思考を言語化することを通して深く考える力の育成 と大きく5つに分けることができる。


フィンランドの小学校教育

日本の小学校教育と言えば、みんなで一緒に授業を受ける、集団授業の形が定番である。主に座学がメインで、好奇心が育ちにくいのが現状だ。 低学年のころは様々な活動をしている学校もあるが、高学年になるにつれて座学が多くなっていく。 では、フィンランドではどのような授業が行われているのか。各科目で見ていく。


国語

・同じ作家の異なる作品を比較させて、続きの話を考えさせたり、話を作り替えさせたりする。

・パペットプレイ、劇、絵本を作って発表会を開く。

・説明文を主体的な調査をもとに書かせる。


算数、数学

・子ども自らアンケート調査をして仮説を検証させる

・グラフや資料の読み取りクイズのためのミニ単元を実施する。


理科

・虫の生態、分布調べからグラフ化し、壁新聞を作って発表させる。

・実験の結果をグラフ化して仮説を検証させる。

・多様な資料を用いた仮説検証を行わせる。


社会

・複数のグラフや地図、統計資料を用いて仮説を検証させる。

・子ども自らアンケート調査を実施して、仮説を検証させる。

・統計教育の成果を生かして調査結果をグラフや主題図で表現させる。


以上の小学校の主要な4科目だけでもこれほどの授業の工夫がある。 どの科目にも共通しているのが子ども達自身に考えさせることだ。 仮説の検証、アンケート調査、創作などを多く行っていることからよくわかる。 また、日本と大きく違うのが総合学習である。 日本の総合学習はただ行っているに近い状態なのが現状だ。 しかし、フィンランドは、総合学習にかなり重きをおいている。


まとめると、フィンランド教育は課題解決型の授業が行われている。 座学ももちろんあるが、それはあくまで課題解決のための道具という位置づけである。 それに対して、日本の教育は座学中心となってしまっている。 子ども自身にどれだけ考えさせるか、どれだけ頭を使わせるかがPISA調査における読解力を育成するために必要になるのだろう。


参考文献

「フィンランド・メソッドの学力革命」田中博之著 明治図書

「国際的な読解力を育てるための相互交流のコミュニケーションの授業改革」有元秀文 渓水社


KKKKK


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