フォルケホイスコーレの仲間
出典: Jinkawiki
フォルケホイスコーレの仲間 フォルケホイスコーレは大学まで含む公立学校に対し、民衆の側の対抗教育の体系としてあるものである。公立学校がどうしても就職や進学のための学校となるのに対し、試験や単位を認めず、資格付与もせず、知識や技術を教えるのではなく、社会的な自覚、生の意味を教える学校という原則を貫いてきた。フォルケホイスコーレとフリースコーレ、そして以下に述べるフォルケホイスコーレの仲間たちはまとめて『フリー・スコーラー(自由学校群)』と呼ばれるが、これらのフリー・スコーラーこそが、民衆の自発的なイニシャティブに基づく共生の自覚、オプリュスンニングの率引車といえるだろう。
エフタースコーレ(自由中学)
十四歳から十八歳までの生徒を集めた学校。全寮制でフォルケホイスコーレと同じ授業を行う。
農業学校/家政学校
この二つの学校は、フォルケホイスコーレと運動と平行に農民たちの運動の中で生まれてきたもの。初期のフォルケホイスコーレとは、そのどちらとも区別しがたいようなものであった。 農業学校の特徴は二、三年の実際の農業体験を持つ若者を受け入れ、教育を行うこと。畜産学、栽培学、農業史といった農業の理論と実践のほかに、物理学、統計学、遺伝学、デンマーク文学などの一般的な科目もあり六カ月コースが主流である。 家政学校は通例の家政学や調理といった科目だけでなく、体育や音楽、語学など一般教育も重視されている。 これらふたつの学校がフォルケホイスコーレと共通するのは、フォルケホイスコーレと運動の中でグルントヴィの思想に導かれて誕生したため、『生きた言葉』による対話がその教育の中心にあり、フォルケオプリュスニングを自覚するための学校であるということ。
フリー・レーラー・スコーレ(自由教育大学)
統一した教員養成の必要から作られたもの。 入学資格者は過去十年以上何らかの学校で学んだことのあるもので、二十歳以上かつ仕事や農業、芸術、スポーツ、あるいは様々な場所への旅、多彩な人生経験などなんでもよいから、学校以外の何らかの実践的な生きた経験をもつ者とされている。 過程は五年で、試験や単位はないが、出席は義務付けられている。みんなが出会うことから何かをするエネルギーが出てくるからである。講義は自由で一定のカリキュラムはなく、教師と生徒が知恵を出し合い、いかにしたら生徒のモチベーションを導き出せるかを研究しあう。生きた議論と実践、実習が丁々発止と広げられる。
フォルケアカデミー
フォルケホイスコーレに併設されるかたちで、アカデミーと呼ばれる研究所。北欧諸国から教師や研究者が集まってセミナー、学会などが催されている。最近の代表例はフォルケセンターである。
≪参考文献≫
生のための学校 1993.09.15 清水満