フォルケホイスコーレ7

出典: Jinkawiki

フォルケホイスコーレ

Folkehø jskole(フォルケホイスコーレ)とは、北欧全土に広がる独特の成人教育機関であり、通常の公教育から独立し影響を受けない私立学校群である。フォルケホイスコーレは、北欧の歴史と文化を背景に生まれ、しっかりとした教育理念に裏打ちされているものであり、北欧の教育文化としてしっかり根付き、様々な影響力をもっている。 2008年12月現在、フィンランドには約90校、スウェーデンには160校、ノルウェーには77校、デンマークに76校がある。 フォルケホイスコーレはデンマークの教育システムのなかでは、「成人教育」のなかに位置づけられているが、「学校を超えた学校」とも見られる。 

フォルケホイスコーレの特徴

(1)試験もなく資格も問わない  フォルケホイスコーレは、試験もなく資格も問わないので、18才以上の人なら誰でも学べる。国籍も問わず、授業はデンマーク語で行われる。

(2)全寮制で期間は数ヶ月  ホイスコーレは全寮制で、生活や食事をみんなでともにする共生が重視される。とくに3度の食事と3度のお茶の時間が存在する。期間は3ヶ月から6ヶ月というものが多く、複数の学校を渡り歩くこともできる。デンマークでは大学へ行く前や会社を中途で辞めてからここに来て、自分のモチベーションを探すという形が多くなってきている。

(3)れっきとした学校教育  国際的には成人教育機関として受け取られ、最近は先進国でもはやりの合宿型のカルチュア・センターみたいなものと理解されているが、デンマークでは履歴書にも書ける学校で、スウェーデンやフィンランドでは資格も取れる専門学校的扱いになっている。

(4)行政から自由な私立の学校  この学校の歴史が民衆の対抗教育というものでしたので、国家からの自由というものが一番大事な思想になっている。しかし、カリキュラムや人事など、学校の内容や運営にはいっさい行政は関知できないことになっており、行政から独立した私立の学校というスタイルが守られている。


フォルケホイスコーレとN.F.S.グルンドヴィ

フォルケホイスコーレというコンセプトを提唱したのは デンマーク国民の父と呼ばれるN. F. S.グルンドヴィである。彼は当時の硬直した暗記中心の教育を批判し、生徒と教師が寝起きをともにしながら(寄宿制)「生きた言葉」で語り合い響き合うような対話を重ねて、自分たちをとりまく世界を学ぼう、と訴えた。そして公教育からは独立した学校の設立を提唱した。そのコンセプトから生まれたのがフォルケホイスコーレである。いま在るフォルケホイスコーレ各校はそれぞれ独自の主旨で設立されているが、底流にはグルンドヴィのコンセプト「人間同士の対話による相互の人格形成」がある。

グルンドヴィの教育理念 ホイスコーレに対する彼の理念はデンマーク民主主義社会をつくる基礎ともなった。それまでの学校は、ラテン、フランス、ギリシャ、ドイツなどの外国語や外国文化が重視され、暗記教育が殆どであった。一部の上流階級の人たちだけが高等教育を受けられ、母国語しか話せない農民の文化は低いものとみなされていた。グルンドヴィはそれを強く批判し、抵抗した。親から子へと代々伝えられてきた母国語と、そこからうまれてきた地域文化こそが尊く、美しいのだと訴えた。それは「生きた言葉」による対話と、競争でない共生からなる生活をもとめた教育理念でもあった。 (中村秀峰:婦人の友2000年5月号「北欧のソング・ブック」より)

デンマーク:http://www.folkehojskoler.dk/ スェーデン:http://www.folkhogskola.nu/page/Geographical/index.html ノルウェー:http://www.folkehogskole.no フィンランド: http://www.folkhogskolor.fi

ハンドルネーム:bunkyo wo aisuru mono


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