フォルケホイスコーレ23
出典: Jinkawiki
フォルケホイスコーレとは、デンマークに150年ほど前からある自由な学校のことである。1990年代には、100校ほど存在し、世界中に広まりつつある。17歳半ば以上であれば、だれでも学ぶことができ、カリキュラムは自由で、国家の干渉を受けない私立の全寮制の学校である。特色は試験というものを絶対にせず、単位や資格の付与もなく、教師と学生が共同で生活し、対話をする中で、「生」そのものを学ぶことである。また、そうした学びえお通して社会性を身に着けることを目標としている。 また、満17歳以上という条件以外では、性別、年齢、障害、国籍を問わずだれでも入学でき、学期は二か月の短いものから最長八か月まである。フォルケホイスコーレは技術や知識を習得することだけを目的としているようにもみえるが、そうではなく、あくまで授業や討論、実践、実習、生活を通して、自己発見をし、自分の進路を探していくことを目的としている。 さらにフォルケホイスコーレは、一つの自由な教育の体系をもち、幼稚園、フリースコーレと呼ばれる小学校、エフタースコーレと呼ばれる寮生活を行う自由な中学校をもっている。フォルケホイスコーレの上には、フォルケホイスコーレと普通の小中学校の教員資格が取れる教員養成大学、学位なども取得可能なフォルケアカデミーと呼ばれる研究所がある。これらは政府の援助を受けてきたが、すべてが私立の学校で、国からの干渉を一切受けないとされている。そのため、デンマークでは、公立学校や既成の大学に対抗するひとつの制度としておよそ150年以上存在し、対抗教育としてデンマークの公教育に大きな影響を与えてきたと考えられている。
清水満(1993)「生のための学校」