フォルメンとオイリュトミー
出典: Jinkawiki
フォルメンとオイリュトミーとは
フォルメンとイオリュトミーとは、20世紀はじめのオーストリアの神秘思想家、ルドルフ・シュタイナーが提唱した教育思想であるシュタイナー教育の中で、最も特徴的な授業である。またシュタイナー教育を代表する授業としても有名である。 互いに連動した形を取っており、オイリュトミーの体験から、フォルメンの時間へと進んでいく形式が取られることが多い。
オイリュトミー
オイリュトミーとは今から90年ほど前の1911年から12年かけて、ドイツの哲学者・教育学者ルドルフ・シュタイナーが提唱したもので、シュタイナー教育の中で一つの科目で、世界全部のシュタイナー学校で必修科目になっている。 「聴こえるけれども目に見えない言葉」と「聴こえるけれども目に見えない音楽」を「目に見える言葉」と「目に見える音楽」にする運動芸術といわれている。 手は何をするためについているのか、足は何をするためかを学ぶため、オイリュトミーは体を使って色々なことを表現する。 具体的には、みんなで円を作ってみるという内容がある。 勝手な動きをすると円は崩れてしまうため、知らず知らずのうちに、きれいな円になるように自分がどこに立てばきれいな円になるか、自然に修正される。またそこで、円をくずさないように右回りや左回りにまわってみる、という発展内容も存在し、子供の中に協調性と責任感が育つとされている。 オイリュトミーは、そういう目に見える形だけを表現するだけではなく、「あ」「い」「う」「え」「お」の母音を体で表現するなど、音も体で表現する。それは母音の字の形をそのまま体で形作るのではなく、音の持つ表現を体で表現するのである。(子音の表現も含む)
意志の力を非常に穏やかに育てようとしているため、現代の教育において最も失われかけている粗野でない、意志の力を育て、発展させることを目的としている。
フォルメン
フォルメンとは線を描くことで、ものの形を理解する芸術教育。ドイツの哲学者・教育学者ルドルフ・シュタイナーが提唱したもので、シュタイナー教育を行なう学校では必須科目のひとつである。直線、曲線、方形、渦巻き、鋭角、鈍角などの線を、色を使って描かせることにより、運動感覚やバランス感覚などさまざまな感覚を活性化させ、連続性、リズム、調和という“宇宙の在り方”と強く結び付けるのが目的。 図画工作的な要素のほかに、図形に触れる算数的要素と文字の前段階とする国語的要素も含まれるとして、教科の枠を越えた総合的な学習内容としてとり入れられている。 子どもに絵を描く技術を教えるのではなく、色を体感させる。 その動きと呼吸のリズムは全ての教科と芸術活動の基盤といわれ、フォルメン線描は自らの内に潜んでいる芸術性を発掘する手段としても有効な手段となる。
両者(フォルメンとオイリュトミー)の関係
フォルメンとオイリュトミーの授業には関連性があると言われている。 オイリュトミーの授業において体験の内実をつかむことでその体験を積み重ねた生徒は「主知」から入らず、手足を通しての体験から入る。その体験と共にフォルメンの授業へと進んでいく。いわば知らず知らずにフォルメンの授業を学んでいることになる。こうした一連の流れ、体験の中で2つの授業を学ぶことで、創造的な力を育み、深みのある人間に育てていくことに効果があるとされる。