フランスの教育制度

出典: Jinkawiki

目次

教育機関

 フランスの教育機関の仕組みとしては、まず通常3歳から5歳までは幼稚園に通う。多くの幼稚園では特別クラスを設け、2歳から受け入れを行っている。その後、6歳から16歳までの10年間は義務教育である。6歳から11歳までの5年間は初等教育機関である小学校(エコール)に入る。その後12歳から15歳までの4年間はコレージュという前期中等教育機関に行く(最初の2年間は観察過程、後2年は進路指導過程)。その後、本人の能力や希望によって、後期中等教育過程のリセと呼ばれる高校に進学。リセには3年制の普通リセ(普通過程と技術過程)と、2から4年制の職業リセ(職業課程)がある。どちらのリセにも工・商・農などの産業系の緒コースが用意されているが、前者はテクニシャン・中間職、後者には熟練職に導く専攻が置かれている。フランスでは、最低CAP(職業適格章)、BEP(職業教員免状)を取得しないと職業には就くことが出来ない。

フランスの教育方針

 フランス学校における授業で用いる教科書は、いわゆる「学習指導要領」によって、師範学校などの教員が出版社と協議をしながら執筆する。そして、その採用は教師の自由な選択または学校の同教科担当者の話し合いで決定される。さらに教科書を使うかどうかは教師の自由とされており、同学年でも教師は違うと教科書・指導法も異なることが多い。また、フランスでは教科書をその通りに追う授業はほとんどしていない。質疑応答はもちろん、ディスカッションになることは頻繁で、積極的に自分の意見を述べたり反論を投げ返したりしている。フランスでは「あなたはどう考えるのか」という発想が教育全体を支配しており、生徒達は意見をつくりあげることを憶えていく。

学費

フランスの公立学校においては、授業料が無料となっている。フランスは核兵器を保有する軍事国家であるが、文部予算は国防省のそれより上回り、教育に対し重きをおいている。まず、小学校においては教科書は貸与され、ノートや鉛筆などは支給される。そして、中学校においては、教科書は貸与されるが文房具は自分で買わなければならない。その後、リセは義務教育ではないので教科書も自前となるが、授業料の支払いはない。


日本との相違

フランスと日本の教育においての違いは様々ある。まず、フランスにおいては小学校から落第や留年がある。また、休みの期間が日本では夏休みと冬休み、春休みなのに対し、フランスでは夏休みが6月から8月まであり、クリスマス休暇やスキー休暇が数週間、更に何かしらの祝日があり一週間ほどの休みがある。この間たいてい学校からの宿題は出されず、またフランスには塾などもないため、地域社会とのかかわりを通し社会性を身につける機会を設けるようにしたりしている。さらに、一クラス20人の少人数教育で教員が2人ついたり、小学校では親が校門まで送り迎えをし、一人で登下校する際は届出が必要となる。学校では行事や部活動もなく、学校は学習の場とし、校外のクラブ活動などで他校生徒との交流を図ったりする。


参考

『フランス教育の伝統と革新』フランス教育学会:編著 大学教育出版 2009年

『ヨーロッパの教育現場から-イギリス・フランス・ドイツの義務教育事情』下条美智彦:著  春風社 2003年

フランスの教育制度http://www.ambafrance-jp.org/IMG/pdf/Enseignement.pdf#search='フランスの教育制度'

http://www.nippon.fr/culture_jp/education.html


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