フレネ教育7
出典: Jinkawiki
フレネ教育
フレネ教育とは,セレスタン・フレネ(Celestin Freinet,1896-1966)の教育理念に基づいた教育実践であり,児童中心主義教育の一つである。 フレネ教育は、一斉授業を廃止し、子どもの個人学習が奨励されるが、決して「個人」や「個性」の発達だけを重視しているわけではない。フレネは「子どもは自分が役立ち、自分に役立ってくれる理性的共同体の内部で、自己の人格を最大限に発展させる」と述べているように、自分たちでお互いの労働を組織し、協働するなかで人間的交流を深め、発達していくものと考えた。そして、子どもたちの自治組織である「学校協同組合」や、「仕事の教育」による生活の組織化を図ったのである。
フレネ教育方法
・自由作文:子どもが今感じていることや、言いたいことを文章で表わすことによって心が解放されるという考えに基づいて、日常の生活の中での出来事や印象を綴った短い作文のこと。クラスの中で発表し、みんなからの批評を受けたあと、投票によって選ばれた作品が印刷され、共通の教材(テキスト)として使用される。天下り的テキストの押し付けを排し、子どもに表現を返すところからフレネ教育はスタートする。自分の生活を素材とした作文や自由研究の発表と討論などを行う。
・学校印刷所:子どもたちが自分の声で語ったことは共同批正を経て印刷される。印刷物をテキストとして使用する。
・学校間通信:表現とコミュニケーションの組み合わせにより、学校生活と日常生活との結合を確かなものとする。個々の表現、マイペースの学習は、互いのコミュニケーションのなかで位置付けられ、鍛えられる。他地域とのコミュニケーションで共同研究が展開していく。
・学習の個別化:基礎・基本を獲得していくための学習は、個々のレベルに合わせた課題を個々のリズムで考えていく。そのためには、各教科の学習カードや教材ソフト、資料、道具類が手の届くところになければならない。教室はそのことにより、子どもたち一人ひとりがマイペースで活動する仕事場(アトリエ)となる。
・学習プラン:毎週の時間割を自分で作り、達成状況も自分でチェックする。何をするかわかっているので、教師の指示待ちをする必要がない。
・実験的模索:なにかを指示されたり伝達されるのではなく、なぜそうなるのかを子どもたち自身で模索していく。解決に至る過程と理解度が問われる。
・学級共同組合:生徒による自治組織のことで、生徒から集めた会費を鶏卵のケーキや学校通信などの売上代金を基金として運営される。このお金の管理運営は生徒に任され、備品の購入や各種の行事の費用に当てられる。これらの活動は生徒集会において計画され決定される。
教え込みを主とする伝統的教育学の克服を目指したフレネ教育は、あくまでも子どもを基点とし、主体とする教育であり、なによりも現場から生まれてきた教育であるがゆえに、具体的実践と結合した堅実な教育であるということができる。
参考HP ・http://www.jfreinet.com/education/main1.htm
(投稿者:EX)