フレネ教育 12

出典: Jinkawiki

 フレネ教育は、セレスタン・フレネ(1896~1966)が1920年代に始めた、「子どもの生活、興味、自由な表現」から出発し、印刷機や様々な道具、手仕事を導入して芸術的表現、知的学習、個別教育、協同学習、協同的人格の育成を図る教育法である。


●フレネ教育の特徴

1.異年齢の子どもが学び合う  南フランスのヴァンスにあるフレネ学校では、年齢で分けられているのではなく、約60人の生徒のうち、3~5歳、6~7歳が中心のクラス、8~11歳までの3クラス。 少人数で、異年齢が学びあうクラスでは、年長の子どもがちいさな子どもに気を配る光景が見られるなど、互いを思いやる気持ちが自然と育まれる。

2.3歳から文章で表現 フレネ教育の大きな柱は「作文」と「印刷」である。子どもが日常生活のなかで発見し、表現したいと思ったことを文章にしていく。子どもたちは3歳から文章を書くが、はじめは先生が手助けし、取り組む。自分で書いたものが印刷され、他人に読まれるのは嬉しいから、自分の思いをきちんと表現しようという意欲が沸いてくる。

3.活動計画表にそって学習する 子どもたちは,自由作文や詩の朗読、文法の説明のとき以外は、自分で決めた活動計画表にそって自分のペースで学習する。分からないことがあれば,先生に質問して個別でじっくり学ぶというスタイル。毎日、学校での仕事が目標通りに進んだかどうか、計画表のマス目を進んだ分だけペンで塗りつぶしていくことによって自分の学習を管理する。そして2週間ごとに、子ども自身がみんなの前で自己評価を示し、みんなで話し合って最終の評価を決める。

4.意見交換 フレネ学校の子どもは対話の名人と呼ばれる。お互いの考えを話し合うという習慣があるからだ。毎日の「朝の会」「帰りの会」「コンフェランス」(親子の研究発表会)、協同組合の集会(学級・全校集会)があり、意見交換をよくしている。 クラスには言いたいことを自由に書き込める壁新聞があり、そこでの「称賛する」「批判する」「実行した」「希望する」の欄に書かれたことが話し合いのテーマになる。議長は子どもで、先生も参加する。

5.尊重しプライドを傷つけない フレネ学校の先生は、「子ども一人ひとりを尊重すること」、「子どもの情熱、子どもの中にある欲求を最高の段階まで導くこと」、「子どもに失敗を恐れさせないこと」が大切だという。みんなの前で詩を読むとき、子どもは「自分が覚えたものをみんなが聞いてくれる」という誇らしい気持ちを持っている。それを聞いて、子どもたちは率直に発言し、批判もする。それは、一人ひとりの存在が認められ、お互いのよさを認め合う関係ができているからだ。


【参考】

 ・http://altjp.net/classification/article/91


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