マグネットスクール 3
出典: Jinkawiki
マグネット・スクール
マグネット・スクールはアメリカ発祥の公立学校の一つである。日本の校区のような住所をもとに学校選択される形態はネイバーフッド・スクール(近隣学校)と呼ばれる。それに対して、群や市、周辺地域に至るまで非常に広範囲から、様々な児童・生徒を引きつけるために特殊なカリキュラムを取り入れている学校がマグネット・スクールである。
歴史
マグネット・スクールは人種差別、公民権運動、モータリゼーション、郊外化、インナーティ、格差社会といった社会問題と深く関係し誕生した。本来、特定の人種に偏ることなく、人種隔離のない学校を目指し考えられたもの。アメリカでは20世紀半ばまで白人と黒人に分かれて異なる学校に通っていた。貧しい黒人が多く住む地域に、白人の裕福家庭の子どもが通うような魅力的な教育プログラムを作成し、地元の黒人だけでなく、多くの白人が通う学校が初期のモデルであった。白人の保護者から子どもの教育や安全の懸念や遠方であるため通学が大変であるという不満が募った。保護者が好ましいと思わなかった学校で、特別のカリキュラムが作成されると、次第に入学者が増加した。自由な学校選択により、異なる人種が混合する学校が誕生した。
問題点
・地域(所得)格差
裕福な地域は多種多様のマグネット・スクールの運営に予算を割くことができ、保護者が学校に密に関わっている。教育熱心な裕福家庭はレベルの高い学校に転入することで不動産地価が高くなり、固定資産税から地域の財源が潤う。一方、貧困家庭が多い地域は学校予算が低い。保護者は長時間労働により時間的体力的問題で学校参加が難しく、学校との関わりが少ない。
・学力格差
「広範囲から入学者を受け入れる学校」であったが、現在はエリート養成校になっている。入学希望者を抽選で決定する学校もあれば、試験によって決定される学校が多くある。人種の偏りが生まれ、人種統合を目的としたマグネット・スクールではなくなる可能性がある。
参考
http://www.jlifeus.com/e-pedia/03.childcare&education/01.K-12/ptext/01.K-12.htm