リサイクル

出典: Jinkawiki

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リサイクル

リサイクルとは、廃棄物や不用物を回収・再生し、再資源化、再利用すること。また、まだ使える不用品を他の人に提供して、活用をはかること。資源の有効利用および環境汚染防止のために重要であり、リサイクル関連のいろいろな法律が定められている。


リサイクルの歴史

リサイクルは、資源やエネルギーの価格に比べて人件費が安い国では当たり前に行われる経済行為だといえる。日本も1960年ごろまでは、鉄やアルミ、銅など、金属のリサイクルを当たり前にやっていた。だが1970年代になって、日本の経済は急成長し、一人当たりの所得も急増した。それが、資源の価値と人件費とのバランスを大きく変えた。 普通、リサイクルの対象は素材である。鉄、非鉄金属、紙、ガラスなどが伝統的なリサイクル品で、それぞれに廃品回収業と処理業があった。こうした「静脈産業」は労働集約型だから、人件費が上がれば成り立たなくなる。

過去二十数年で古紙の価格は低迷し、業者がいくら回収量を減らしたとしても、自治体や市民団体の作った古紙回収システムが働いているため、価格は低いレベルにとどまっていた。ところが2003年頃から、古紙の価格は上昇傾向を見せている。その原因は中国にある。中国経済の急速な発展が紙の需要を生み出し、古紙が日本から中国にどっと流れたのだ。 このように、紙のリサイクル状況は、時代時代でかなり異なった様相を示す。

振り返って、自治体や市民団体は、なぜリサイクルを盛んにするようになったのだろうか。そのカギはいくつかある。一つは、1992年のリオデジャネイロ「地球サミット」で、地球温暖化問題が浮き彫りにされたこと。すなわち、地球温暖化や、資源・エネルギーがいずれ枯渇することを含め、地球には限界があると広く認知されるようになり、資源の枯渇を先送りするする道として、リサイクルの重要性が認識されるようになった。

しかし日本は、いささか異なる事情を抱えていた。それは、廃棄物問題、とくに最終処分地(ゴミ捨て場)の不足問題である。


リサイクル法

わが国におけるリサイクルに関する初めての本格的法律が、リサイクル法「再生資源利用の促進に関する法律」だ。これは、生産、流産、消費の各段階に」遡って再資源化を促進し、「資源の有効な利用の確保を図るとともに、廃棄物の発生の抑制及び環境の保全に資する」ことを目的にして、1991年に「資源の有効な利用の促進に関する法律」として制定された。


ーリサイクル法の概要ー

①再資源の利用を総合的かつ計画的に推進するため、主務大臣が基本方針を制定、公表するとともに、②再資源の利用の促進を図るため、原材料使用段階におけるリサイクル率の上昇、リサイクルの容易な製品の供給、工場から発生する副産物のリサイクルの促進などを目的として、必要に応じて特定業種、第一種指定製品、第二種指定製品及び指定副産物の政令指定をおこない、③各事業者に対して、各事業所管轄大臣が政令で定める判断基準に基づく取り組みをもとめていく、 というものだ。


リサイクルマーク

消費者がその製品がリサイクルできるかどうかを判別するために表示されるマーク。リサイクルマークの意味することは、遡ること1991年に施行された「資源の有効な利用の促進に関する法律」という、俗に言うリサイクル法によって、資源ゴミとなるゴミに添付する事を義務付けられたマークということである。

リサイクルマークの種類には、「紙製容器包装」、「プラスティック容器包装」、「アルミ缶」、「スチール缶」、「ペットボトル」、「リチウムウイオン蓄電池」、「鉛蓄電池」、「ニッケル・カドミウム蓄電池」、「塩化ビニル製建設資材」が有る。


家庭ごみ有料化

◆「家庭ごみ有料化」の目的について

①ごみに対する意識を変え、より関心をもっていただくためのきっかけづくり

②家庭ごみの減量(発生抑制)及び分別徹底によるリサイクルの推進

③ごみ量に応じた負担の公平化

④新たな財源による、ごみ減量・リサイクルの仕組づくり


◆「家庭ごみ有料化」及びその財源を用いて実施する新たな施策等により得られる効果

1.ごみ減量・リサイクルの効果 有料化及びその財源を用いた新たな施策を講じることで、ごみの排出抑制と分別が徹底され、ごみの減量・リサイクルが期待される。 ごみ減量・リサイクル効果の具体的な数値としては、ごみ減量・リサイクル推進基本計画の「1人1日当たりの家庭ごみ排出量」及び「家庭ごみのリサイクル率」の平成22年度目標値が達成できることを想定。

(1)1人1日当たりの家庭ごみ排出量

【ごみ減量率の見込】

平成14年度 平成19年度 平成22年度

644グラム → 608グラム → 504グラム

既に達成   (5.6%減) (16.1%減)

(2)家庭ごみのリサイクル率

【家庭ごみリサイクル率の見込】

平成14年度 平成19年度 平成22年度

15.6% → 13.8% → 24.6%

(1.8%悪化) (10.8%改善)


2.ごみ減量によってもたらされる効果 有料化やごみ減量はそれ自体が目的ではなく、更なる上位の目的を達成するための手段である。ごみ減量によってもたらされる効果は、大きく分けて、「CO2排出量の削減」「新たな環境工場の規模縮小」「埋立処分場の延命化」の3つがあると考えられる。ごみの焼却により発生するCO2を削減することで、地球温暖化防止に寄与することができる。焼却量が減少することにより、将来必要となる新たな焼却施設の規模を縮小することができ、その建設経費を削減ることができる。ごみ量が減ることで埋立処分量が減少し、最終処分場の延命化につながる。



環境問題とリサイクル

1.ごみを埋め立てる「最終処分場」 が不足している。各地でその新規立地のために生態系の宝庫といわれる「洲」を埋め立てなくてはならない事態になっている。これなどは、廃棄物が原因となって自然環境の破壊につながる代表例である。

2.ごみを燃やせば基準値以下の濃度であっても、必ず多少のダイオキシンが発生し、自然界に蓄積されていく。従って、燃やさずに済むならばそれにこしたことはないが、全量を埋め立てたりコンポストにすることは現実には困難。どこまでごみの焼却が許されるか、許容すべきその範囲は科学的に決めることである。しかし、中には、科学的に判断して安全な範囲でも理想的にはもっと低減すべきという価値観の人もいる。 また、ごみの焼却施設が近所に新規に建設されると多くの人が反対する。 ごみは燃やすと焼却灰が後に残る。特に集じん機で捕捉された焼却灰(=飛灰)には有害な重金属(カドミウム、鉛)、ダイオキシンなどが多量に含まれ、その無害化に膨大な費用を必要としている。

3.日本は石油・鉄鉱石・銅などの様々な燃料、原料を海外からの輸入にたよっている。これらの採掘現場で膨大な面積の地表を掘り起こすことにより、環境破壊をまねいている可能性がある。





《参考文献》


  人間科学大事典

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