中華人民共和国

出典: Jinkawiki

「中華人民共和国」 (1)国の成り立ち 紀元前3000年ころから、黄河の流域で古代文明が発達した。秦や漢、唐、宋、明などの王朝がさまざまな文化をうみだして、東は朝鮮半島から日本まで、西はヨーロッパまで影響を及ぼした。最後の王朝は満州族が支配する清だったが、イギリスやフランスなどのヨーロッパ各国が植民地を求めて進出してきた。1937年からはじまった日中戦争では、国民党と共産党は共同で日本と戦ったが、第二次世界大戦後、再び対立がはじまり、1949年に内戦に勝った中華共産党により中華人民共和国建国された。日本とは国交が途絶えていたが、1972年国交が正常化し、1978年の日中平和友好条約以後は活発な交流が続いている。特に近年は、日本企業の進出がめざましい、2008年には北京オリンピックが開催された。



(2)自然の特色 国土の東側には平地があり、人口が集中している。内陸部は北から砂漠や高原が広がり、南西部はチベット高原やヒマラヤ山脈が広がっている。高原から大きな河川が東へ向かって流れだしており、黄河と長江という二大河川がある。黄河は途中でホワントゥー高原をまくように流れ、黄土といわれる豊かな土を下流に運ぶ。長江は途中でスーチョワン盆地を通り下流で大きな平野をつくっている。 中国は大きく5つの地域に分けることができる。

① 東北地方 東北高原が広がっている。冷帯の気候で雨が少ない。冬の寒さが厳しい。

② 華北地方 黄河がつくる華北平野が広がっている。気候は冷帯、乾燥帯、温帯がみられる。

③ 華中地方 長江を中心とする地域。夏に高温多雨な気候で豊かな水をもたらす。

④ 華南地方 チュー川流域に広がる地域。温帯で雨が多い。

⑤ 西部 内陸性の気候で雨が少ない。乾燥した砂漠が多い。


(3)民族と人口の分布 中国の民族構成を見てみると、約92パーセントを漢民族が占めている。しかし中国の総人口の10パーセントにも満たない少数民族でも、各民族の人口は多い。たとえばチョワン族(約1100万人)などは、ひとつの国くらいの人口がある。中国では建国当初、国を発展させるために人口増加政策をとった。しかし、増加が続くと食糧不足などの問題が発生すると考えて、1979年から「一人っ子政策」をはじめた。これはとくに都市部で、子どもは一人までしか認めないという政策である。子どもが一人の家庭にはさまざまな優遇措置がある一方で、違反すると罰金を支払わなければならない。しかし、農村部や少数民族に対してはこの政策は緩められていた。近年では、中国で少子高齢化が進んでいること、子どもたちが過度に甘やかされること、戸籍に載らない子どもが増えていることなどが問題となってきたため、一人っ子政策の見直しが始まっている。人口は沿岸部に集中している。以前は自由な移動も難しかったが、経済が成長するにつれて、働く場所を求めて、農村から都市への労働力の移動がみられる。都市周辺には、農村から出てきた人たちが生活している環境のよくない地域もみられる。経済格差の拡大が社会問題となっている。


参考文献 旺文社総合的研究社会


  人間科学大事典

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