地球サミット

出典: Jinkawiki

1992年にブラジルのリオデジャネイロで開催された、「持続可能な開発」という理念の下に環境と開発の両立を目指した首脳レベルでの国際会議。正式名称「環境と開発に関する国際会議」 各国のトップの他に、国連の招集を受けた産業団体や市民団体などの非政府組織(NGO)も参加し、4万人を超える人々が集う史上最大規模の国際会議となったため、世界的に大きな影響を与えた。この会議の成果としては以下の通りである。


目次

(1) 環境と開発に関するリオ宣言

 人類共通の未来のために地球を良好な状況に確保することを目指し、人と国家との相互間の関係を規定する行動の基本原則の集大成であり、前文及び27の原則から成る。1972年の国際連合人間環境会議で採択された人間環境宣言を再確認するとともに、その発展を目指し、各国、社会の重要部門及び国民間の新たな水準の協調を創造することによって、新しい公平な地球規模のパートナーシップを構築することを目標とし、全人類の権利を尊重して地球的規模の環境と開発のシステムの一体性を保持する国際的な合意を得ることを進め、我らの住まいである地球の不可分性、相互依存性を再認識し、宣言されたものである。

地球規模で環境と開発を調整する持続可能な開発の概念が中心であり、実行には先進国と途上国間の衡平性、先進国同士の衡平性、途上国同士の衡平性を確保し、諸国間の多様性に富む差異化された枠組みを構築することが必要とされる。これら地球環境問題に勘案される「共通だが差異のある責任」原則がリオ宣言では明確化しており、国際協調の策定には第7原則が用いられることになる。


(2) 気候変動枠組み条約

 92年5月の第5回再開会期において、先進国は、1990年代の終わりまでに二酸化炭素等の温室効果ガスの排出を従前の水準まで戻すことの重要性を認識しつつ、排出抑制や吸収源保全のための政策・対応措置を講ずるとともに、その政策・対応措置と効果予測等についての情報を提出し、締約国会議出の審査を受けること等を主たる内容とした国際条約を採択。UNCED期間中に、155ヶ国が署名(我が国は6月13日)。大気中の温室効果ガス(二酸化炭素、メタン、一酸化二窒素(亜酸化窒素:N2O)など)、HFCs、PFCs、SF6)の増加が地球を温暖化し、自然の生態系等に悪影響を及ぼすおそれがあることを人類共通の関心事であると確認し、大気中の温室効果ガスの濃度を安定化させ、現在及び将来の気候を保護することを目的とする。気候変動がもたらすさまざまな悪影響を防止するための取り組みの原則、措置などを定めている。


(3) 生物多様性条約

 92年5月の第7回交渉会議において、生物多様性の保全、生物多様性要素の持続的利用、遺伝資源の利用から生じる利益の公正かつ公平な配分を実施することを目的とし、国家戦略、計画の策定、自国の保全上重要な地域や種のリストの作成、保護区等の設定、遺伝子資源に対するアクセス・保証、技術移転、資金援助等を主たる内容とした国際条約を採択。UNCED期間中に、157ヶ国が署名(我が国は6月13日)。


(4) 森林に関する原則

 国家の開発の必要性及び社会・経済成長のレベルに応じた森林を利用する主権的権利を認めるとともに、森林の多様な機能(生物多様性の維持、エネルギー源、炭素の貯蔵等)の維持及び持続的経営の強化、森林政策の在り方、国際法規、多国間合意に基づいた林産物貿易、開かれた自由な貿易の促進、世界の緑化、国際協力等について規定。


(5) アジェンダ21

 環境と開発に関するリオ宣言の諸原則を実施するための行動プログラムであり、環境・開発の両面にわたる4分野(社会経済的側面、開発資源の保護と管理、女性をはじめとする各主体の役割のあり方、実施手段)の40項目について幅広く各国の行動のあり方をとりまとめている。 4部構成全40章からなり英文で500ページにも及ぶ。 第1部「社会的/経済的側面」、第2部「開発資源の保全と管理」、第3部「NGO、地方政府など主たるグループの役割の強化」、第4部「財源/技術などの実施手段」となっており、女性や貧困、人口、居住などの幅広い分野をカバーしている。 アジェンダ21の実施状況をレビュー監視するために、国連に「持続可能な開発委員会(CSD)」が設置されている。また1997年の国連環境特別総会ではそれまでのレビュー結果を総括して「アジェンダ21の更なる実施のためのプログラム」が採択された。また国レベルや地方自治体レベルでアジェンダ21の行動計画やローカルアジェンダが策定されている。


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