思いやり予算

出典: Jinkawiki

思いやり予算とは、日本が負担する在日米軍駐留費のことを指す。日米地位協定の枠を超えた法的根拠のない負担に対し、ベトナム戦争後の財政危機とドルの価値の急落に苦しんだ米国の負担を考慮した当時(1978年)の防衛庁長官、金丸信が「思いやりの立場で対処すべき」と答弁したことから、思いやり予算と呼ばれるようになった。

概要

本来、日米安保条約に基づく日米地位協定では一部を除き、一切米国が負担することとなっている。しかし、上に述べたように財政難に陥った米国は、日本に対し駐留経費の分担を申し出た。これにより、日本政府は1978年に駐留経費の一部である62億円を支払った。その後の負担額は膨れ上がり、基地従業員の人件費、光熱費や水道費、基地内の建設費などのほぼ全額を、2007年度に「思いやり予算」として2173億円を支出した。

それとは別に、基地周辺対策費、沖縄に関する特別行動委員会関係費、提供普通財産上試算、米軍再編関係費、基地交付金などが存在するが、それらを含めると日本の年間の負担額は6092億円となった。それは米兵ひとり当たり約1800万円をあてていることになる。

日本の財政危機に対し、日本より財政に余裕がある米国に、これからも「思いやり予算」を続けるのは道理に合わない、という声が与野党を含めあがっている。2006年以降、日本が負担の減少を求めたことに対し、米国側は増額を要求。結局折り合いがつかず、暫定的ではあったが、内容をそのままに2年の延長を決めた。

過去の負担額

1978年 62億円

1979年 280億円

1980年 374億円

1985年 807億円

1990年 1680億円

1995年 2714億円

2000年 2567億円

2001年 2573億円

2002年 2500億円

2003年 2460億円

2004年 2441億円

2005年 2378億円

2006年 2326億円

2007年 2173億円

2008年 2083億円

2009年 1928億円

2010年 1881億円


急激に増えていた思いやり予算だが、2000年代から徐々に縮小していくことになる。

その理由は、日本の財政再建のためと、1995年に起こった米兵による沖縄での少女暴行事件への批判のせいである。

参考文献


HN:SN


  人間科学大事典

    ---50音の分類リンク---
                  
                  
                  
                  
                  
                  
                  
                          
                  
          

  構成