成田山新勝寺

出典: Jinkawiki

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成田山新勝寺


 近年、初詣参拝者数ランキングで明治神宮に次ぐ全国第2位の成田山新勝寺。「成田山は御護摩」といわれる程、御護摩が盛んに行われている。
 正式名は大本山成田山金剛王院新勝寺。真言宗智山派で御本尊不動明王は、嵯峨天皇の勅願により空海がみずから敬刻して開眼し護摩法を修めた尊像である。京都の高雄山神護寺に奉安されていたが、939年に平将門が反乱を起こすと朱雀天皇の密勅を受けた寛朝大僧正は、この尊像とともに関東に下り、下総の国、成田の地にて21日間平和祈願の御護摩を修める。その満願の日、940年2月14日に兵乱は平定され、千葉県成田市に新勝寺の寺号を賜って成田山が開山されたのである。 また、お不動さまのあらわれでその一大浄域である成田山は絶えることのない霊験を重ねながら、「正しい道を歩む人を守り、誤った道をゆく人を慈しみの厳しさで導いている」のである。そのため、御守りを2つ持ってはいけないという言い伝えがあるが、成田山の御守りは神様同士の喧嘩も正しい方向へ導くと言われている。いくつ持っても成田山新勝寺の御守りを持っているだけで、安心なのであるという説がある。交通安全・恋愛成就と様々な面で祈れることから、全国にたくさんの信者がいるのであって初詣の参拝者数も伸びるのである。江戸元禄から歌舞伎の成田屋市川團十郎・市川海老蔵も成田山の不動明王を信仰している一人である。

千葉県成田市


千葉県の北部中央にある千葉県成田市。人口127,115人、54,755世帯である。千葉県でも上位に入る人口で、成田国際空港や成田山新勝寺などで知られている。業務核都市にも指定されている。面白いことに地名の由来が3つもある。昔から雷が多いため雷の良く鳴る田、鳴田からの成田。稲の出来が良い土地のため、熟田(なりた)からの成田。最近の研究では、開墾を行いなりわい(なりわい業)の田、業田(なりた)からの成田。3つの説があり、どれが由来なのかは正確にはわかっていない。また、成田ニュータウンに位置する船塚古墳が全国的に有名であり、国の重要文化財として人頭形土製品などが指定されている。成田と東京を繋ぐ線、京成線の終着地点でもあることや観光地が豊富なことから多くの観光客が集まる市である。
 最近では、姿形はうなぎと飛行機。その名もうなぎと成田で『うなりくん』、と可愛いゆるキャラが登場しお腹には成田の文字があるため知名度が更に高くなっている。ゆるキャラグランプリ2011では全国順位“31位”と好成績を収めている。

“成田屋”市川團十郎


 市川團十郎は江戸の人々にとても人気があった歌舞伎役者であった。しかし、後継ぎの子どもがいなく寂しい思いを強いられ、せっかくみんなに親しまれ愛される自分の芸が絶えてしまうと悩んでおられた。その時決心したのが、成田山に籠ってお不動さまにお祈りすることであった。その甲斐あって、ようやく男の子が生まれ、義理がたい團十郎は、前より一層お不動さまを信心して、自分の屋号を“成田屋”と名乗ったのである。それから、代々の團十郎は成田山のお不動さまの熱心な信者になり、舞台ではお不動さまを演じている。
7代目は費用を惜しまず立派な額堂を立て、その前に接待所の看板を掲げる。そして、そこにお参りに来る人たちに茶菓子を自分の手でもてなしていた。
8代目は道行く人たちに甘酒やわらじを施してみんなに喜ばれていた。
このようにお不動さまの本当の信者はお不動さまに代わってみんなに尽くし、みんなに喜ばれる行いをするのであると言い伝えられている。

東日本大災害復興支援


~成田山と被災地を結ぶ“一対の大勝守”~
 2011年3月11日、全国民の脳裏に焼き付けた東日本大震災。被災地陸前高田市にも気仙成田山(如意山金剛寺)がある。成田山新勝寺では被災地の一日も早い復旧復興を祈り、尊い生命を奪われた多くの方々のご冥福をお祈り申し上げている。その一環として、東日本大災害復興支援報告展と題して陸前高田市の被災状況や復興支援写真、被災地の人々への励ましの言葉を展示している。また、復興への祈りとして「勝守」1体500円のうち100円分を義損金として陸前高田市へ届けている。被災松を使った「一対の大勝守」は、一体を松の故郷である陸前高田市に寄贈し、一体を成田山にて展示。復興に向け前進される被災地の方々と共に生きようとする“誓いの証し”とされているのである。

参考・引用文献


『お不動さまの成田山』
成田山新勝寺パンフレット


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