日本の宗教2

出典: Jinkawiki

1.法相宗 玄奘がインドの唯識派の思想を翻訳紹介し、弟子の基によって確立されたのが法相の教学である日本では、七世紀半ばに玄奘に師事した道昭が法興寺で広め、南都六宗の一つとして8~9世紀に興隆した。

2.華厳宗 日本における開祖は、金鐘寺(後の東大寺)の招きを受けた中国の審祥で、その思想が反映された東大寺盧舎那仏像(奈良の大仏)が建立された。華厳宗は本尊を歴史上の仏陀を超えた絶対的な仏の毘盧遮那仏とし、『華厳経』を究極の経典として、独自の教学体系を樹立した宗派であり、その独特で難解な思想のため、勢いは徐々に衰えていった。

3.律宗 律宗は、戒律の実践を行う中国の仏教の一派で、753年に唐から来日した鑑真が東大寺に戒壇を開いた。後に唐招提寺を総本山として、今日まで戒律の研究が続いている。

4.真言宗 真言宗の開祖は「空海」である。本尊は「大日如来」で、重要な経典は『大日経』『金剛頂経』である。空海は密教の第一人者として平安時代に活躍した。

5.浄土宗 浄土宗の開祖は「法然」である。本尊は「阿弥陀如来」で、重要な経典は『浄土三部経』である。法然は「南無阿弥陀仏」と唱える「専修念仏」を説いた。

6.浄土真宗 浄土真宗の開祖は法然の弟子の「親鸞」である。本尊は「阿弥陀如来」で、重要な経典は『浄土三部経』である。法然は阿弥陀如来への「絶対他力」の信仰を説き、後に「蓮如」が本願寺を興隆させ、親鸞の教えを広めた。

7.融通念仏宗 融通念仏宗の開祖は「良忍」である。良忍は天台宗の僧侶で、平安時代末期に「1人の念仏が万人の念仏に通じる」という融通念仏を創始し、結縁した人々の名を記入する名帳を携えて各地で布教を行った。

8.時宗 時宗の開祖は一遍である。時宗では、和歌や和讃によるわかりやすい教えとともに、阿弥陀仏を信じなくとも念仏さえ唱えれば往生できると説き、仏教を庶民に広げた。

9.日蓮宗 日蓮宗の開祖は「日蓮」である。重要な経典は『法華経』で、「南無妙法蓮華経」を唱える法華信仰を広めた。日蓮は天台宗から分派して日蓮宗を興した。

10.曹洞宗 曹洞宗の開祖は「道元」で、ひたすら座り続ける修行である「只管打坐」と、座禅を行うことが則ち悟りであるとする「修証一如」を説いた。

11.臨済宗 臨済宗の開祖は「栄西」で、栄西は公案を用いた座禅の修行である「看話禅」(公案禅)を日本に取り入れた。

12.黄檗宗 黄檗宗の開祖は隠元で、日本の三禅宗のうちでもっとも遅く江戸時代に始まった宗派である。隠元は明から来日した臨済宗派の僧侶で、当初は臨済禅宗黄檗派と名乗っていたが、明治に入ってから黄檗宗として独立した。教義や修行方法などは、日本臨済宗と同じとされている。

【参考文献】日本の仏教宗派: 宗祖・本尊・経典・教え・しきたり 河出書房新社 日本の謎を探る会 2017.8.10発売

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