日本国憲法 6
出典: Jinkawiki
日本国憲法 6
成立背景
1945年、GHQ(連合国軍総司令部)は明治憲法の改正し、新しい民主的な憲法をつくるように指示する。 日本政府は、憲法問題調査委員会(松本蒸治委員長)を設置し、憲法改正草案(松本案)を作成する。
~内容~ 天皇主権を変更せず、人権保障にも消極的(=明治憲法とほとんど変わらない)。
GHQは日本政府案を拒否し、独自の憲法改正案を作成する。
~内容~ GHQの最高司令官・マッカーサーは、
➀天皇は国の元首(このことは天皇制の廃止を指すものではない)➁戦争の放棄 ➂封建制度の廃止 というマッカーサー3原則に則した憲法草案(マッカーサー草案)をGHQの高官たちに作成させ日本政府に手渡した。 ※民間の憲法研究会の案は、天皇を儀礼的な存在とし、現行憲法の内容に近く、GHQもこの案を参考にしたと考えられている。
日本政府はマッカーサー草案をもとに改めて憲法改正案を作成し直した。 枢密院の審査と可決を経て、帝国議会に提出され、貴族院、衆議院の両方で一部修正のうえ可決された。 ※1946年の総選挙で男女普通選挙制度が実現した。この選挙で選ばれた新しい衆議院議員を含む第90回帝国議会で憲法改正案が審議され、可決された。
そして、1946年11月3日、日本国憲法として公布される。施行は1947年5月3日である)
日本国憲法の特色
・前文と11章103条から成る。
日本国憲法の条文が増えた理由 ・基本的人権を守ることを重視し条文で細かく保障しているため。 ・地方自治に関する条文が付け加えられたため。
民定憲法である。これは国民が定めた憲法という意味であり、以前の大日本帝国憲法は欽定憲法である。
日本国憲法は国の最高法規である。つまり、憲法に違反したあらゆる法律・政令・条例は認められない。
人権保障を徹底するため、憲法を最高法規(第98条)とし、憲法に違反する法律・命令・詔勅・国務に関するその他の行為は効力を有しない(98条)。 そして、最高法規性を確保するため、 『 天皇又は摂政及び国務大臣、国会議員、裁判官その他の公務員 』は憲法を尊重し擁護する義務を負う(第99条)とした。 裁判所には、法令や国の行為が憲法に違反するか否かを審査する権限(= 違憲法令審査権)が与えられている。
参考文献 西修著『日本国憲法成立過程の研究』(2004)成文堂
投稿者 m.y