日韓条約
出典: Jinkawiki
日韓条約とは、1965年6月、日本と韓国の間で結ばれた国交を正常化する条約である。
何回もの会談を経て日本と韓国は、国交樹立に関する基本条約を結んだ。この際に両国は、1910年の韓国併合条約と、それ以前に結ばれた条約を”もはや無効”と宣言した。請求権会談では、日本が韓国に3億ドルを無償で与え、それに加えて、2億ドルを低い利子で長期間に渡り貸しつけるということで合意した。この5億ドルをもって請求権問題が解決されることとなった。このほかに、協定の実行過程で、日本は韓国に3億ドルの民間資金を追加して貸しつけた。しかしながら、条約内容に対する解釈をめぐり、両国間では意見が食い違っている。
まず、前述した韓国併合条約についてである。日本側は、1948年に樹立した韓国政府以降無効と主張しているが、一方、韓国側は、当初から条約は無効であり、植民地支配は不法であるとの主張である。
次に、3億ドルの提供についてである。日本側の主張としては、経済協力資金として、また、独立祝い金としてだとしているが、韓国側の主張としては賠償金の性格によるものだとしており、両国とも対立した主張をしている。
日韓条約に関して忘れてはならないのが、両国ともこれに反対運動が起きたことである。韓国では、過去の侵略と植民地支配に対する日本の謝罪がないまま国交を樹立することは屈辱的であるという批判が高まった。日本では、日韓の国交樹立が日米韓三国の軍事同盟につながってしまうことにより、アジアの平和を脅かすことになると主張する反対のデモが繰り返された。 日韓条約には植民地支配の責任と反省、謝罪に対する条文はなく、また、具体的な被害者の問題に対する議論を意図的に避けている。過去の問題を清算できないまま国交を樹立したことにより、両国間では今でも問題が浮き沈みを繰り返している
参考文献『未来を開く歴史 東アジア三国の近現代史』日中韓三国共通歴史教材研究会、2006年、高文研