核兵器禁止条約
出典: Jinkawiki
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概要
核兵器禁止条約 (Treaty on the Prohibition of Nuclear Weapons:TPNW) とは、2017年7月7日に国連で採択された核兵器の廃絶を目的とした国際条約である。
この条約は核兵器は安全保障の問題としてだけでなく、人道問題として捉える「人道的アプローチ」により多くの国や地域から支持を集めた。さらに、採択には後にノーベル平和賞を受賞することになるICAN(核兵器廃絶国際キャンペーン)などのNGOや中小国が大きな影響を与えたといわれている。
これはあくまで核兵器の禁止であり、平和目的の原子力の利用については禁止していない。
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課題
条約の採択においては世界の122カ国が賛成票を投じたが、肝心の核保有国である、アメリカ、ロシア、イギリス、フランス、中国、インド、パキスタン、北朝鮮、核兵器を保有しているとされるイスラエルの9カ国が不参加を表明している。そのほか、アメリカの「核の傘」に依存する、日本、カナダ、ドイツ、イタリア、オーストラリア、韓国などの国も不参加を表明している。さらには、この条約自体の有効性そのものを疑問視する声や従来の核抑止の仕組みを強化すべきとの声も上がっている。
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参考
- Treaty on the Prohibition of Nuclear Weapons, United Nations
- 核兵器の禁止に関する条約 (核兵器禁止条約)暫定訳, 日本反核法律家協会
- 岸田外務大臣会見記録, 外務省
- 核禁止条約を採択 保有国は不参加、実効性乏しく (2017/7/8), 日本経済新聞
- 米国連大使、核兵器禁止「現実的でない」 (2017/3/28), BBCニュース