核軍縮
出典: Jinkawiki
目次 |
概要
アメリカ(1945)が最初に核実験を行って以降、ソ連(1949)、イギリス(1952)、フランス(1960)、中国(1964)と核実験が続いた。そのような状況の中で1960年代以降核軍縮条約が成立した。核軍縮には世界的な協力が必要となるので条約の締結が望ましいとされる。
核軍縮条約
部分的核実験禁止条約[PTSD] 大気圏内・宇宙空間・水中での核実験を禁止したが、地下での実験は禁止されていなかったために効果は薄かった。 1963年に米・英・ソが批准した。(日本は1964年批准)
核拡散防止条約[NPT] 核兵器保有国を5か国(米・ソ・英・仏・中)に限定し、それ以外の加盟国が核兵器を保有することを禁止する条約。上記5か国以外の批准国は、国際原子力機関[IAEA]による審査の受け入れ 義務を負う。1995年、同条約の無期限延長が決定された。 1968年に米・英・ソが調印 1992年に仏・中が調印 (日本は1976年に批准)
戦略兵器制限条約[SALT] 1972年と1979年に米ソ間で二次にわたって調印。SALTⅠは発行したがSALTⅡはソ連のアフガニスタン侵攻(1979)に反発したアメリカが批准せず発行しなかった。
ABM(弾道弾迎撃ミサイル)制限条約 1972年に米ソがSALTⅠと同時に調印。2001年にアメリカがロシアに対し同条約の破棄を一方的に通告。背景にはミサイル防衛構想の推進にとって障害になるとの判断があった。
中距離核戦力[INF]全廃条約 1987年に米ソ間で調印。中距離核戦力に限定されているが、全廃で合意されたのはこれが初めてである。
戦略兵器削減条約[START] 1991年に米ソ間、1993年に米ロ間で調印。このうちSTARTⅡは発行されなかったが、それに代わるものとして2001年にモスクワ条約(戦略攻撃兵器削減条約)が調印された。
包括的核実験禁止条約[CTBT] 1996年に国連総会で採択。(日本は1997年に批准)地下核実験も含めて核爆発を伴うすべての核実験を禁止するもの。しかし未臨界実験は禁止されていない。米・中・イン・パキスタン・イスラエル・北朝鮮などが未署名又は未批准のため発行条件を満たしておらず未発行である。
核保有国の特徴
- 「アメリカ」「ロシア」「イギリス」「フランス」「中国」
第二次世界大戦で勝利し経済発展を遂げている国である。いわゆる5大国であり、核拡散防止条約[NPT]によって核保有が合法的に認められている。しかしながらこれは戦勝国であり、発言権の強かった国が自分たちで決めていることもあり本当に合法的かは意見が分かれるところである。
- 「インド」「パキスタン」「北朝鮮」
インド・パキスタンは核拡散防止条約[NPT]に加盟おらず、北朝鮮は加盟していたが2003年に脱退を表明しその後3回の核実験を行っている。
- 保有が疑われる国 「イスラエル」「イラン」
イスラエルは1998年に戦争抑制のために「核の選択肢」を持ったとされており、保有がほぼ確実視されている。一方でイランはウラン濃縮作業などに「重大な懸念」があるとされているが現在のところミサイルは核に対されておらず時間がかかるとされている。
参考文献
政治・経済 標準問題精講[三訂版] 旺文社 昼神洋史・金城透
CNN.co.jp : 世界の核兵器――保有国は?保有数は? http://www.cnn.co.jp/special/interactive/35030561.html (2015/08/05)
HN:GANZAN