水質汚染7

出典: Jinkawiki

水質汚染

目次

水質汚染

 経済活動などにより、水の質が劣化する状態を「水質汚染」という。  海や川には汚れを浄化する”自浄作用”が備わっている。これは海や川に生息するプランクトンが汚れを食べて分解、水をきれいにしてくれるというもの。しかし、ある程度以上の汚れがあるとその自浄作用が働かなくなる。また、化学的な汚染物質の中には自浄作用で浄化できないものもある。この汚れが川や海へと流れ込み、水資源を汚す。

水質汚染の原因

生活排水

 水質汚染の60~70%は、生活排水(トイレやお風呂、洗濯などから出る排水)とされている。その中で最も汚れの多いものは台所排水である。食べ残しや米のとぎ汁などをそのまま流すと水質汚染へとつながる。また、食器洗いの合成洗剤も汚染の原因になっている。

工業排水

 工場や事業所などから出される排水である。水俣病やイタイイタイ病などの公害は、工業排水に含まれる有害物質が原因であった。その後、法律の規制や下水道の整備などによって改善されつつあるが、下水道が普及していない地域では、処理せずにそのまま川や海へと流しているのが現状である。

産業廃棄物による水質汚染

 有害物質(ダイオキシンやPCB、鉛、ヒ素など)による水質汚染は深刻である。それらによって土壌が汚染されると、有害物質が地下水に溶けだすことになる。その地下水を飲んだ生物に影響が出る。

水質汚染を防止するための法律

水質汚濁防止法

 公共用水域(河川や湖沼、沿岸など)および地下水の水質汚染を防ぐために昭和45年に制定された法律。工場や事業場(廃棄物処理場など)が公共水域へ排水を排出する際、この水質汚濁防止法に基づいて排水基準が適用される。  また、排水などの規制を行うため、特定施設や水質基準値についても定めている。地下水に関する規定が追加されて(平成元年)以来、この法律が地下水汚染に関して中心的な役割を担っている。

水質汚染が原因で起こる病気

水銀・水俣病

 水俣病は、熊本県で起こった水銀による水質汚染公害である。窒素の水俣工場からの排出に含まれるアルキル水銀が河川・海水に流れ込み、周辺海域で取れた魚を食べた人や動物に大きな影響を与えた。

カドミウム・イタイイタイ病

 カドミウムによる河川の水質汚濁が原因で起こったのが、日本で初めての公害として認定されたイタイイタイ病である。  富山県の神通川流域の金属工場の排水に含まれていた大量のカドミウムが河川に流れ出し、河川の水を使っていた農作物や魚にカドミウムが蓄積した。  これらの作物や魚を食べた周辺住民は体内のカルシウムが失われる慢性のカドミウム中毒や腎臓障害を引き起こした。

参考文献

水質汚染-『地球温暖化白書』[1]

『水質汚染』-原因と過去の事例、汚染による影響と防止対策[2]

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