海面上昇
出典: Jinkawiki
海面上昇とは、地球温暖化に伴う海面上昇は、おもに氷(陸上の氷河や氷床に貯蔵されていた氷など)の融解が原因とされており、融け水や氷山などが海へと流れ込み、海水量が増えることで上昇する・・・ということである。また、水温上昇による海水の膨張も原因といえる。
それだけではなく、温暖化では寒くなる地域、降水量が増加する地域や減少する地域が出てくる。これを「気候変動」という。これらの気候変動の影響によって、その地域の環境を変化、それまで収穫されていた食物の栽培や養殖などが出来なくなっていくだろう。では、気候変動が起こることによって、シベリアのツンドラ地域等の寒い地域の気温が上昇すると、気温上昇に伴い寒い地域が住みやすくなることがあるのだろうか。いや、それどころか、地球温暖化の影響が真っ先に現れるのは南極や北極などの極地圏だと予想される。そのためか、最近の南極の棚水の崩壊や大氷山の誕生などに関心が集まっているようだ。
厚い氷に覆われている南極氷床は極寒にあって、太陽光線を鏡のように跳ね返しているので、多少の温暖化では溶けることは考えにくい。しかし、南極以外の極域や山岳氷河などでは温暖化によって、積雪や海水で覆われている面積が減れば、露出した地面や海面が太陽光線を吸収しやすくなって温度の上がり方が激しくなっていく。こうした温暖化により、さらに積雪や海水が減る。また、シベリアの永久凍土が融けると、温室効果の高い有害なメタンガスという物質が放出され温度が上がっていくと、凍土の融解を促進して、温暖化を加速させると言われている。また、氷河が溶けると、その氷に含まれていた汚れが、融けた後の表面に溜まり、太陽光線を吸収しやすくなって融解を促進し、氷河の縮小を加速すると見られている。
南極氷床そのものが融ける心配はなくても、棚水への影響が問題となってくる。極端な事を言えば、次のようなことも言える。南極大陸以外の大陸の氷河などが溶けて水が増え、海面が上昇すれば、氷床の周囲でも隅に張り出した棚水の氷が、それを支えている海底から浮き上がり、氷山として流出する。その結果、つかえが取れた内陸部の氷も押し出してきて海に流出するので、さらに海面が上昇する。この連鎖現象によって氷の海への排出が加速され、やがては氷床のかなりの部分が崩壊して海面上昇が進むと考えられる。日本では50~100年の間には海面が2~6度上昇すると予測されており、海面上昇によって島国がなくなるという状況も今後否めない。事実、南極の氷床(氷の本体)が融け、グリーンランドにある雪の堆積面積はここ数年で約20%も減少。他にも棚氷の流失や永久凍土の融解、氷河の後退など各地で異常事態が相次いでいます。これらの影響を受けて、19~20世紀の100年間で平均海面水位が17cmも上昇した。また、2080年までに約40cmの海面上昇があると仮定した場合、被害を受ける人数は最大2億人とも予測されている。