纏足
出典: Jinkawiki
纏足
纏足とは、女性の足を小さく奇型にする風習のことである。中国では、富裕な家庭の少女は幼児の時に、足の親指を除く4本の指を裏側に曲げ、布で緊縛することで発育を止め、人工的に小足にした。纏足にした理由は、当時の男性が足の小さな女性を好んだことや、女性の行動を制限するためといったことが挙げられ、女性を常に劣位におく儒教社会を背景として広まった。纏足は五代の頃に始まったとされているが、一般的に普及するのは南宋以降である。ただし、纏足が普及するのは漢民族社会に限定され、漢民族以外の少数民族には纏足といった風習はなく、満州人の清も悪習としてしばしば禁止令を出したが、効果は得られなかった。客家(10世紀頃より華北から移住してきたと伝えられ、周囲から差別されていた人々)や少数民族の多い太平天国軍には、もともと纏足の風習はなく、南京占領後、漢民族女性にも自軍のために労働させる必要があるため、纏足を禁止した。清末にいたると、纏足の廃止運動が広まり、各地に天足会(天足=自然な足)といったものも組織され、五・四運動以後、急速に廃れていくこととなった。
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~参考文献~
・グローバルワイド改訂版最新世界史図表(1997年) 第一学習社
・三訂必携世界史用語(1993年) 実教出版