出典: Jinkawiki

雷は自然現象で、雲と雲との間、または雲と地表面の間に生じる放電現象で、この放電に伴って閃光(稲妻)と轟音(雷鳴)を発生する電気的な現象である。


雲のでき方

 一般に雲を構成する雨粒は、直径0.02mm程度の非常に細かい水滴か、同程度の大きさの氷の結晶(氷晶)からできており、地上から吹き上げられる風(上昇気流)により支えられて空中に浮かんでいる。しかし、上昇気流に逆らって落下するものもあって、直径2mm以上の水滴や氷粒などで雨、雪、あられ、ひょうなどがある。これらは、雲粒に対して降水と呼ばれている。  雲の高さで分類すると、上層雲、中層雲、下層雲の3種類に分けられる。上層雲は氷の粒でできていて、上空5kmから13kmの高層に発生し、「巻雲」、「巻積雲」、「巻層雲」などが含まれる。中層雲は2kmから7kmの高度に発生し、「高積雲」、「高層雲」、「乱層雲」が含まれる。下層雲は2km以下に広がる「層積雲」と「層雲」である。別に、上昇気流によって下から上まで高く伸びる対流雲があり、「積雲」、「積乱雲」が含まれる。この積乱雲が雷雲に発展しやすくなっている。  積乱雲は、鉛直方向に10km以上の高さがあるため、その巨大な容積内で暖かい空気塊の上昇気流と下降気流の空気塊がぶつかり、摩擦するために莫大な電気エネルギーが充電されて雷雲と変化していく。

 一つ例に挙げると、夏のよく晴れた午後に、しばしば夕立が起こり、それは時に激しい雷雨や集中豪雨などを伴う。 太陽の日射により地表が熱せられると、地表の湿った空気が暖められて上昇気流となり、上空で水滴となって、その塊が雲になる。さらに空高くまで雲が発達すると、周囲の温度が氷点下に達し、雲の中には雨粒だけでなくあられや氷の粒ができる。氷の粒は上昇気流とともに成長し大きくなる。ある程度大きくなり、上昇気流の力より重力が勝ると、今度は下降を始める。この上昇、下降時に氷の粒同士がぶつかり合い、大きな氷片と小さな氷片に間で電気が発生し、大きな氷片にはマイナス、小さな氷片にはプラスの電気が帯電する。このような現象が続くと雷雲(積乱雲)になる。雷雲の成長とともに、電気の力も強くなって、空気が電気の力に耐えきれなくなったときに放電し、落雷になる。これが最近のゲリラ雷雨の全容である。


雷の種類

①熱雷…太陽の日射によって地面近くの空気が暖められて軽くなり、上昇気流が発生してできた雷雲による雷。

②界雷…温暖な気団と寒冷な気団が接する部分で寒冷前線・温暖前線となる。この二つの前線付近で寒気が暖気を押し上げる、または暖気が寒気の穏やかな傾斜面に沿って上昇することでできた雷雲による雷。

③熱的界雷…日射によって地面近くの空気が暖められ、上昇気流が起こり、熱雷が発生しそうなところに冷気が接近し、暖気を押し上げることにより上昇気流がいっそう激しくなって発生する雷。夏の雷雲の多くはこの型に属し、世界でも主流の雷である。夏に多く発生することから、熱雷も含め夏季雷とも呼ばれる。

④渦雷…発生した低気圧や台風の中心付近などで周囲から吹き込む気流によって発生する雷。

⑤冬季雷…冬になると、日本海沿岸では、季節風(シベリア気団)によって会場に雲が発生します。その雲が気流に乗って日本海を横断してくるときに、冷たい季節風と本州沿岸を流れる暖流(対馬海流)との温度差によって発生した豊富な水蒸気を含むことにより、低空に雷雲を形成します。雷雲が低空で形成されるため、山間部や平野部でも高い建造物がある所で集中的に落雷しやすい雷。この冬季雷は、本州の日本海沿岸、ノルウェーの大西洋沿岸において発生する世界的に見ても珍しい気象現象になっている。

⑥火山雷…火山の激しい爆発によって生じる上昇気流によってできた雷雲による雷。

⑦核爆発による雷…水爆実験などの核爆発により、大気中に大量のマイナス電荷が放出されることにより放電する雷。

※⑥、⑦は特殊な例である。


参考文献

岡野大祐 著 「解明 カミナリの科学」 オーム社 2009年5月

妹尾堅一郎 監修 「おもしろサイエンス 雷の科学」 日刊工業新聞社 2008年7月 M.S


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