鳥獣戯画
出典: Jinkawiki
鳥獣戯画とは
平安時代末〜鎌倉時代初期の絵巻物。鳥羽僧上覚猷らの筆とされている。京都高山寺蔵。甲、乙、丙、丁の四巻からなり各巻は異なる時代、異なる人物によって描かれている。
各巻の内容
甲巻
動物を擬人化し、彼らが様々な遊戯や儀礼に興じる様子を描いている。兎と蛙が猿を追いかけるシーン、兎と蛙の相撲などが有名である。また、猿、兎、蛙といった主要登場動物を含めた十一種の動物が登場する。いづれも平安時代に日本で目にすることのできる動物達で、鹿、猪、梟は擬人化されておらず、動物そのままの姿で描かれており、その違いは二足歩行が可能かあるいは二足歩行で描くことに違和感のない動物であると考えられているが、その真意はわかっていない。 乙巻
擬人化された動物は一切登場せず、十六種の動物が描かれている。巻頭の馬にはじまり、前半は牛、鷹、犬、鶏、鷲、隼といった日本にも生息している動物が描かれている。後半は犀(霊亀または玄武とも)、麒麟、豹、山羊、虎、獅子、象、獏といった日本に生息しない、または空想上の霊獣が描かれている。
丙巻
前半に「人物戯画」、後半に「動物戯画」というまったく異なる論理の画面配置となっている。「人物戯画」には人間による囲碁、双六、耳ひき、目比べ、腰引き、闘鶏、闘犬の場面。「動物戯画」には擬人化された動物たちによる競馬、祭礼、蹴鞠、験競べなどが描かれている。
丁巻
人物主体の巻である。侏儒、験競べ、法会、流鏑馬、田楽、毬打、木遣り、印字打、牛車の馬の暴走などが描かれている。甲巻および丙巻に描かれている様々なモチーフを踏まえて描いており、動物たちが演じていた儀礼や遊戯を人間たちが演じるという逆説性が現れている。
参考文献
全国歴史教育研究協議会 編、『日本史B用語集』、山川出版社 東京国立博物館、朝日新聞社 編、『特別展 鳥獣戯画 京都高山寺の秘宝』、朝日新聞社
KT