STAP細胞 3

出典: Jinkawiki

目次

STAP細胞の概要

 STAP細胞とは体の細胞を酸性の溶液に浸しただけで初期化し、あらゆる細胞に成りかわるといわれた“万能細胞”のことである。この研究は理化学研究所発生・再生化科学総合研究センターの小保方晴子研究ユニットリーダーやその共同研究者である山梨大学の若山照彦教授らによって発表された。イギリスの科学論文誌『nature』に2014年1月30日号に掲載された。


論文の信憑性と作成手順

 この世紀の発見を世界は称賛したが、その称賛の舞台裏では論文、実験結果のデータが虚偽ではないかという声が上がっていた。まず初めに浮上した疑惑は、電気泳動実験の写真に切り貼りが見られたとインターネット上で指摘された。電気泳動実験において違う測定結果を張り合わせると意味を持たなくなってしまうからである。化学の分野のみならず、どのような実験論文は、成功者以外の人が何度も検証し再現可能かを確かめることでその論文の重要性と価値が高まっていくのである。高まる疑惑の中で決定的となったのは小保方氏が実験結果として載せた写真の内の一つがかつて小保方氏が博士論文で掲載した写真と似ているとインターネット上で指摘されたことだろう。11日には小保方氏の博士論文の冒頭約20ページが米国衛星研究所のウェブサイトの文章とほぼ同一であることが判明。論文の実験手法においても約20行の説明が他の論文の文章と同一であることが分かった。


理化学研究所の対応

 理化学研究所の最終報告では、小保方氏が実験画像2点について過去に発表された論文のデータの改ざん・捏造を行ったとした。この報告によって、野依良治理事長は「論文の撤回を勧告する」と表明した。理化学研究所は、これだけ話題性が大きかっただけに論文発表の慎重を研究者に促すとともに、STAP細胞の再度再現実験にも着手している。なお小保方氏は平成25年7月1日から平成26年11月30日まで責任者、監督者立会いのもと論文検証を行った。その実験は第三者監視、ビデオ撮影の中で行うという厳しい管理下でその正当性を検証していったが、再現は失敗に終わっている。

参考文献

「捏造の科学者 STAP細胞事件」 著者:須田桃子 出版社:文芸春秋 発行年:2015年
「理系研究者のためのアカデミックライティング」 著者:ヒラリー・グラスマンーディール 訳:甲斐基文・小島正樹 出版社:東京図書 発行年:2011年

HN:ODO


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