インダス川

出典: Jinkawiki

インダス川

インダス川(ヒンディー語、サンスクリット: सिन्धु 、ウルドゥー語: سندھ 、シンド語: سندھو 、パンジャーブ語:سندھ、ペルシア語:حندو 、パシュトー語:ّآباسن、チベット語: Sengge Chu、中国語: 印度河、ギリシア語: Ινδός)は、インド亜大陸を流れる主要河川。 チベット自治区のマナサロヴァル湖の近くのチベット高原から始まり、ジャンムー・カシミール州のラダックを通る。その後、パキスタンに入ってギルギット・バルティスタン州を通り、パンジャーブ州を南に抜け、シンド州に入り、パキスタンの港都市カラチの近くのアラビア海に注いでいる。インダス川の長さは3,180Kmで、パキスタン最大の河川である。インダス川本流の93%はパキスタン領内であり、5%がインド、2%が中国領を流れる。 インダス川の流域面積は1,165,000Km2以上である。一年間に流れる水の量は、約207Km3と推定され、世界で21番目である。氷河が広がる標高から始まり、温帯樹林の生態系、平野、乾燥地帯を作っている。シェナブ川(英語版)、ラーヴィー川(英語版)、サトレジ川、ジェーラム川(英語版)、ビアース川(英語版)及び北西辺境州とアフガニスタンから流れる2つの支流と共にシンドゥ七大河のデルタを形成する。

参考 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%83%80%E3%82%B9%E5%B7%9D

・インダス川をめぐる攻防

インドとパキスタンの綿花は、そのほとんどがインダス川流域で生産されている。世界シェアの30%近くを占め、栽培のために毎年平均2兆8000億リットルの水がインダス川から引き込まれているという。

 アメリカ、ウッドロー・ウィルソン国際学術センターに所属する南アジア専門家マイケル・クーゲルマン(Michael Kugelman)氏は、「繊維産業はパキスタン経済の屋台骨だ」と話す。「大量の水が、繊維、砂糖、小麦といった主要産業のほとんどで使われている。しかもかなりの量が無駄になっており、問題化している」。

 水をめぐる状況はインドでも同じだ。インダス川は、カシミール地方のインド支配地域からパキスタンを通って海に注ぐ。パキスタンの主要な淡水の供給源で、農業の90%を支えている。また、パキスタンとインドの両国にとって、水力発電に欠かせない川でもある。

 人間だけでなく、重要な水生生物の命運もインダス川の状況次第で変わる。例えば、インダスカワイルカは農業による汚染やダムなどが原因で絶滅の危機にさらされ、現在の個体数は100に満たないと推測されている。

◆平和への脅威?

 インドでは歴史的に、水をめぐる争いが元になるコミュニティー間の衝突が繰り返されてきた。パキスタンでも、水不足が食料、エネルギー危機を引き起こし、複数の都市で暴動や抗議行動が頻発している。

 インダス川の問題は、ともに核兵器を保有する両国間で辛うじて維持されている平和も脅かしている。インダス川の上流、カシミール地方をめぐる長年の紛争では、水が戦略上の権益の柱と考えられてきた。1960年、「インダス水協定」が結ばれ、水資源の共有管理態勢が保たれている。しかし、両国人口は増加の一途を辿り、1人あたりの水の供給量は急激に減少、インダス川の流量が減れば共有も難しくなる。

 インダス川の流量調整において中心的な役割を果たすのは、カシミール地方の山岳氷河だ。まるで自然の貯水タンクのように、冬は雨や雪を凍らせ、夏になると解けた水を放出する。インダス川の流量の実に半分は氷河が解けた水であり、川の運命はヒマラヤ山脈の状態に大きく左右される。短期的には、氷河の融解が加速し、2010年に起きたような壊滅的な大洪水が増えると予測されている。

 また、両国は先を争うように、カシミール地方水系の自国側に大規模な水力発電ダムを建設中で、否が応でも緊張が高まっている。上流部でのインドのプロジェクト規模に、パキスタンは自国水力発電計画への影響を懸念、作物栽培の取水プランに打撃となる可能性を表明している。


参考http://www.nationalgeographic.co.jp/news/news_article.php?file_id=20111017001


  人間科学大事典

    ---50音の分類リンク---
                  
                  
                  
                  
                  
                  
                  
                          
                  
          

  構成