オランダのドラッグ政策2

出典: Jinkawiki

オランダは先進国で唯一、一部の麻薬を合法化している国家である。厳しい政策で薬物を完全に追放することは不可能だという前提に立った、オランダ政府の麻薬に対する国内政策の2つの原則を指す。1つは、薬物使用は公衆衛生の問題であり、犯罪ではない。2つ目は薬物による害を減らす。 オランダの麻薬政策は、ソフトドラッグとハードドラッグとを分け、毒性と中毒性の大きなコカインや覚せい剤などは禁止しているが、毒性と中毒性の小さな大麻などを合法化し、コントロールの対象としている。ハードドラッグに関しては、かなり厳しい取締りがある。 また、一部の自治体ではソフトドラッグについて市が麻薬バスを走らせ、希望者には無料で注射をうってくれるという政策もある。麻薬バスは針がきちんと一人一本ずつ使用され、カルテも書かれ、医療関係者がいることからエイズ対策にもなっている。さらに、コーヒーショップという喫茶店のようなところでも大麻などが広く売られている。

では、なぜこれらを合法化したのか。

1つは、ドラッグを禁止しているがために、禁止していることが逆に裏社会で非合法組織に経済機会を提供することとなる。それならば合法にしてこういった問題を考えていこうとする、オランダの何事も表で把握しようとする政治体制にあらわれている。2つめは、非合法による犯罪組織や麻薬入手のための犯罪が増加するなどの弊害を考慮したことである。3つめは、麻薬バスがエイズ対策になっているということである。エイズの流行により、麻薬の注射針からの感染が増加し、エイズの弊害と麻薬の健康被害とを考慮したためだ。

これらのことから、国で厳格に管理下でコントロールしたほうが薬物による害は少なくなるという考えと、犯罪抑止という効果が期待できる。しかし、ソフトドラッグの合法化は、安楽死と比較してみると、必ずしも国民の大多数の支持があるわけではない。


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