グランセコール

出典: Jinkawiki

グランゼコールとは、フランスの高等専門教育機関。その数は主要都市に約350校ほどあり、その中でも歴史のあるものは名門とされる。 フランスでは、まず高校卒業資格及び大学入試資格であるバカロレアというものを取得しなければ大学にいけない。その後、バカロレア取得者は自由に大学を選び入学することが出来る。しかし、グランゼコールはいわゆるエリート養成機関としての役割を果たしており、入学の際には選抜試験を受ける必要がある。バカロレア取得後、高等学校に所属する「準備学級」に入る。そこに入学するには厳しい書類選考が行われ、この基準は高校一年からの成績及び先生からの意見が重視される。そして、この準備学級において2年間勉強し、準備学級を卒業した後グランゼコールの試験を受けることが出来るようになる。しかし、この2年間においても、1年から2年への進級も非常に難しく、卒業も難関である。そのため、やめる人もいる。ちなみに、グランゼコール選抜試験は筆記(小論文型式)と面接による。名門グランゼコールに合格すれば、聴講官という国家公務員の立場となり、給金が支給される。また、卒業後も選考した分野のエリートとしての待遇が保証されている。また、グランゼコールの運営には、商業系は特に地元の商工会議所が深く関係しており、卒業後の即企業戦力となる人材の育成を目的とする。約240校ある技術系機関の卒業証書は国が発行するのに対し、商業的なものは各教育機関が発行する。2007年度のFinancial Timesのランキング調査によると、ヨーロッパのベスト・ビジネス・スクール10校内にフランスの商業系グランゼコール7校がランクインした。


グランゼコールの設立

18世紀のフランスにおいて、パリを中心とした国家建設の技術的インフラを確率する必要性があり、その指導者を養成する必要があった。しかし、当時のフランスの大学は墜落し、そのような国家指導者を輩出するような機関ではなかった。そこで、ルイ15世の勅令により1747年に最初のグランゼコールである国立土木学校が設立され、その後1783年に高山学校が、1974年革命中にポリテクニック、エコール・ノルマイが創設された。したがって、当時は国家建設を考えれば、テクノクラート要請の国家エリート養成学校として設立されたことが最初であり、商業学校の台頭はその100年以上後である。


グランゼコールの種類

グランゼコールは大学とは違い、その職業に関する専門的知識などを学ぶ高等教育機関であるが、その種類は技術系と商業系が大半を閉めている。そのほかにも、政治・行政を専門とする国立行政学院(ENA)や、防衛、研究調査、農業、獣医などを教える教育機関もある。


大学とグランゼコールの違い

大学(UNIVERSITES)にはグランゼコールにない学問分野があり、学問水準も消して低くない。グランゼコールは一学年の定員は約350名と少なく、入学試験に合格するのが大変なのに対し、大学は例外を除きバカロレアさへ取れれば誰でも入学できる反面、資格(3年Licence、5年Master、8年博士)をとるのが難しいという違いがある。そもそもは教育者や医者、弁護士の養成を目的としていた。


参考 『エリートのつくり方-グランド・セコールの社会学』柏倉康夫:著 筑摩書房 1996年

『フランス教育の伝統と革新』フランス教育学会:編著 大学教育出版 2009年

ESSEC http://www.essec-japan.com/qa.htm


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