スプートニク・ショック2

出典: Jinkawiki

1957年に人類史上初めてソ連(当時)が人工衛星スプートニク1号の打ち上げに成功したこと対して、アメリカが受けたショックのこと。アメリカはこれを契機に科学技術教育と英才教育に力を入れた。翌1958年に制定された国家防衛教育法はソ連に対するアメリカの科学技術面での立ち遅れを挽回する目的で制定され、人材開発と教育の改善を最重要課題と位置づけ、連邦政府が多額の財政援助を行うことを定めた。


日本への影響

戦後、日本の教育は文部省が推進したアメリカ式の経験主義教育である生活単元・問題解決学習が学力低下問題を引き起こし、批判を浴びるようになっていた。そうした中でスプートニクショックが起こり、上記のようにアメリカをはじめ、全世界的に科学教育に対する熱情をかき立てていた。その影響により日本でも、大きな変化があった。1958年、学習指導要領が法的拘束力を持った形で告示された。それまでの経験主義教育に代わって科学的な知識の積み上げを重視し、教科の構造性を打ち出す系統学習の方向へと教育の方向を大きく変えたのである。このようにスプートニクショックはアメリカをはじめとした世界各国の教育界に大きな動きをもたらした。


重視される理数教育

平成20年度の学習指導要領の改訂においても、理数教育の充実が注目されている。20年度版、新学習指導要領では、言語活動の充実、理数教育の充実、伝統や文化に関する教育の充実、道徳教育の充実、体験活動の充実、外国語教育の充実が主な改善事項とされている。その中で理数教育の改善事項は「科学技術の土台である理数教育の充実を図るため、国際的な適用性、内容の系統性、小中学校での学習の円滑な接続を踏まえて、指導内容を充実。高等学校では、統計に関する内容を必修化」となっており、これまで以上に理数の強化を図っていることがわかる。


<参考文献>

学習指導要領 総則編  文部科学省

『教育用語集』 東京アカデミー編


  人間科学大事典

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