フィンランド共和国2

出典: Jinkawiki

目次

フィンランドの概要

フィンランド共和国 (Republic of Finland)

面積 33.8万k㎡(日本の約9倍)。国土の4分の1は北極圏内。気候は亜寒帯気候で、北のラップランドには「山」と呼ばれる丘陵が存在するものの国土は平坦で、国の68%(約7割)が松や白樺などの森で覆われており、国土に点在している湖は18万8000と国土の10分の1を占める。

首都:ヘルシンキ

公用語:フィンランド語とスウェーデン語

宗教:キリスト教ルター派とフィンランド正教

歴史:1917年にロシアより独立。(フィンランドの歴史

通貨:ユーロ

軍事:18歳以上の男子に兵役

環境:5月中旬~7月上旬は日の沈まない白夜。オーロラは8月末~4月初めまで見ることができる。2005年度世界経済フォーラムの環境維持可能指数で146ヶ国中、第1位。2003年度の国際世界水開発レポートでは、「世界一水がきれい」と評価された。

乙女がひざまずいた形に見えることから「バルト海の乙女」とも呼ばれている。現在のフィンランドの国境は第二次世界大戦後に確定されたもので、東は長い国境をロシア、西はバルト海を挟んでスウェーデンと接し、北の国境はノルウェーと接している。現在は国の地方行政単位である六つの「県」と三つの「地方」に分かれている。 フィンランドという呼び名は、スウェーデン王国の統治下にはいった1400年代になって用いられるようになったといわれているが、フィンランドが文化的、政治的にすでに統一されていたわけではなく、フィンランドが独立を果たしたのは1917年12月であり、独立国家という観点からみるとフィンランドは、100年足らずの若い国家といえる。

日本人の抱くフィンランドのイメージ

清潔な国、キシリトールガム、ムーミン、シベリウス、あるいはGNP世界一、教育水準世界一、先端技術世界一、政治的清廉潔白度世界一、国際的にも高く評価されている高福祉社会などがある。実際、フィンランドに対する日本人のイメージはとても良いという。


フィンランドの人々の暮らし

フィンランドの人々は、何よりも家族を大切にする。長期休業も家族で過ごすことが多く、2005年8月は、人口約520万人の半数以上が滞在型の長期休暇を過ごし、250万人近くが所有もしくは賃貸の別荘で暮らした。海外旅行は35万人ほどで、そのうちほぼ3分の1がヘルシンキから80キロ先のタリンまで高速艇で1時間半ほどクルージングして対岸のエストニアに向かった(フィンランド統計局調べ)。 フィンランドの人々は自立心が高く、フィンランド人の性格的特徴ともいえる明瞭な自意識を持っているが、幼い頃からそのように育てられている。高齢者は安易に介護支援を求めることなく自分で生活しようという意識が高い。そしてフィンランド人は早起きを好み、よく働く。フィンランドの学校も勤務もふつう朝八時から四時までの実動八時間だが、七時間半もしくは七時間というのもある。フレキシブル・タイムを実施している事業所が多い。店は土曜は午後六時まで営業し、日曜は休みになる。夏季の日曜はその制約を受けないし、また小規模店は自由な営業時間が認められている。  週末に二日休み、夏休みがほぼ一カ月、十月末の秋休み、クリスマス休暇と冬休み、そして三月の春休みがそれぞれ一週間、その他の祝祭日を含めると、年間就業日はほぼ七カ月ぐらいになる。これらの休暇の外に年休が二十五日、療休はちょっとした風邪でもしっかりと取得する。家族生活を大切にし、自分の時間を楽しむフィンランド人の気質から、残業は好まれない。それで平均月収は、2005年七月調べでおよそ三十七万円、平均年収はおよそ四百五十万円と、日本とほぼ同じくらいである。


高福祉と高教育

フィンランドといえば、高福祉と高教育というイメージが強い。世界トップレベルの教育と高福祉社会を支えるためにフィンランドは個人の所得税も法人の企業税も高く、高収入ほど税率も上がる。物価も高いことで知られている。消費税は高いが、エコ製品など税率が低いものや課税されないものもある。どういう国にしたいかという概念が明瞭に政策に反映されている国である。フィンランドの高福祉社会体系の風が風速を上げたのは50年代になってからだ。1957年、女性たちは児童手当を要求してデモを繰り広げた。フィンランドは、数年の闘争をかけて社会保障を選択したのである。  ひとむかし前の日本企業は社会教育をよくした。日本では労働教育を期待されているのはが今や大学だが、フィンランドでは国家規模でやっている。教育は小学校から大学まで無料で、初等中等学校から、長い将来の職業人生のために生徒に心と体の準備をさせることが教育目標になっている。良い教育は、良い労働力を生み、生産性を上げ、高い税率により国の税収が増える。それで高福祉と教育無料を保障し、良好な社会体系の循環ができあがる。


参考文献:『フィンランドを知るための44章』  百瀬 宏、石野裕子 編

      『競争やめたら世界一 フィンランド教育の成功』 福田誠治 編

      『フィンランドという生き方』 目莞ゆみ+フィンランドプロジェクト 編


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