ベルリンの壁崩壊

出典: Jinkawiki

ベルリンの壁崩壊


概要

第2次大戦でドイツと戦ったアメリカ、イギリス、フランス、ソ連の4か国はドイツを分割して占領し、そして首都だったベルリンも、これら4か国の間で分割され、占領された。ソ連がベルリンの東側半分を取り、米英仏は西側半分をほぼ3等分して占領した。この分割占領こそが悲劇の始まりで、その後、米英仏とソ連の対立が決定的となるにつれ、その影響は分割占領されていたベルリンにもはっきりと及び、西ベルリンと東ベルリンの体制の差、分断状態もはっきりしてきたのである。


壁が作られた経緯

特にソ連が占領していた東ベルリンでは、社会主義的な統治が敷かれ、生産ノルマ引き上げなど労働者への締め付けが厳しくなっていった。これを嫌って東から西ベルリン側に移り住んだり、東側に住みながらも稼ぎのいい西ベルリンへ通勤する人が50年代を通じて増加した。これは当然、東ベルリン側(東ドイツ、ソ連)にとっては許せない事態であり、戦後復興に欠かせない労働力が、どんどん西側へ流出してしまっては、計画経済が成り立たないため、東独は、こうした人口の移動を「西側による人身売買」と非難し、防止に躍起となりましたが、東西間の生活水準の差は明らかであった。 そこで東側がとった策が「壁」の建設である。1961年8月13日未明、西ベルリンを壁で強引に囲い、交通を物理的に遮断することで、労働者を西側に逃がさないようにしたのである。しかし、壁の建設といっても、最初から立派な壁を作れたわけではなく、当初はとりあえず鉄条網を立てて封鎖していくというものでした。その後、鉄条網に代わってコンクリートのブロックを積み上げた壁や、コンクリート板を使った塀のような壁が作られた。


ベルリンの壁崩壊

1989年夏、ハンガリーの反政府団体が集会を開かれ、集会が開かれた場所は西部の観光名所ショプロン。オーストリアへの国境近くの町であり、この集会には東ドイツ人も多数参加していた。そして「汎ヨーロッパ・ピクニック」というイベントを計画していて、これは、ハンガリーから国境を越えてオーストリアに入りこむことで、東西ヨーロッパを自由に通行できることをアピールしようという内容であった。そして実際に、このピクニックは実施され、国境地帯まで歩き、鉄条網は撤去されていたものの閉鎖されていた国境の柵を開けてオーストリア側に越境した。ハンガリーにも国境警備兵がいて監視体制を敷いていたのですが、不思議なことに越境を見逃したのである。ピクニックに参加していた東ドイツ人は、そのままオーストリアになだれ込み、この日だけで東ドイツの900人が越境したと伝えられている。オーストリアは西側自由主義国だったので、オーストリアに入った東ドイツ市民は、簡単に西ドイツへ行くことができたのである。 この話が伝わると、出国を希望する東ドイツ人がハンガリーに殺到し、ハンガリー政府は越境について「不法行為」と一応は非難したが、越境者を逮捕したり射殺したりといった措置は取らず、黙認を続けられた。東ドイツ市民は、ベルリンの壁や東西ドイツ国境を命の危険を冒して超える必要がなくなり、ハンガリー経由なら安全に出国できる。それは、東ドイツ政府にとって、ベルリンの壁を厳重に監視する意味が失われたのと同じであった。しかも、10月ごろから東ドイツ国内では自由化を求めるデモがライプツィヒを中心に多発し、11月に入ると政府も統制できないほどの規模になってしまった。そして、ピクニック事件から約3か月後の11月9日、とうとう東ドイツは市民の自由な出国を認め、ベルリンの壁、東西ドイツ国境を開放すると発表した。しかも、この措置は即刻実施されると発表されたので、東ドイツの市民は夜にかけて続々とベルリンの壁にあった検問所に詰め掛けました。このニュースは即座に世界中に流されたので、西ベルリン側からも人々が押し寄せ、検問所周辺はお祭り騒ぎのようになり、この一晩で数万人が西ベルリンに入ったと言われている。


参考文献

ベルリンの壁とは? http://www5f.biglobe.ne.jp/~willkommen_deutschland/mauer_index.html

ベルリンの壁崩壊20周年 http://www.magazin-deutschland.de/jp/themen/mauerfall.html


pei-su


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