レスポンデント条件づけ

出典: Jinkawiki

概要

人は、突然の大きな音がすると驚く。また、熱いなべに触れると手を引っ込める。このような反応は、生得的に身についている反応である。 このような生得的な反射反応のことをレスポンデント(無条件反応)という。この刺激は無条件刺激(誘発刺激) といわれる。 レスポンデント条件づけにおいて、「驚くこと」が無条件反射で「突然の大きな音」が無条件刺激である。このとき、音が大きくないのなら、人はそのときの 行動を中断されることはない。このようなとき音は中性刺激という。しかし、中性刺激も無条件刺激がいつも一緒に経験されると、中性刺激だけを経験するときにも、無条件反射が誘発されるようになる。 このような過程をレスポンデント条件づけ(古典的条件づけ)という。中性刺激が手続きを経てレスポンデントを誘発するようになると条件反応という。


実例

パブロフは、犬をつかってレスポンデント条件づけの実験をした。例えば、犬に鈴の音を聞かせる。最初の間は耳をそばだてるといったような反応しか生じなかったが、鈴の音を聞かせると同時に必ず肉片を与える。というような手続きを何度も繰り返した後には、鈴を鳴らしただけで、肉片を与えなくても唾液が出るようになる。中性刺激(鈴の音)が無条件反応(唾液)を誘発したのである。レスポンデント条件づけは、人間についても多くの反応について研究がされているが、そのおもなものは、瞬目反応、瞳孔反応、退避反応、唾液分泌などである。わたしたちの日常生活にもみられる例を挙げてみると、うめぼしを見ると唾液がわいてくることがある。これは、私たちがうめぼしがとてもすっぱい食べ物であるということを経験から知っているからである。


まとめ

人は学習や経験を経て習得する。日常生活には、条件づけによって獲得されている行動は非常に多い。しかし、その条件づけもそれを理解する能力がないと条件づけることはできない。人間のほとんどすべての行動は、生得的な可能性の基盤の上に学習が重ねられることによって形成される。三角、四角、丸などの図形を見分ける能力も、学習によって獲得されたものである。人やその他の動物が環境に対して反応する経験をして、その経験の結果、器質的な変化によって説明されないような行動の仕方の変化がある。その変化が条件づけなどによって学習されたことである。条件づけはこのように知覚と結び付いている。このように、経験や学習を経てその行動に条件を付け加えていくことで、レスポンデント条件を行うことが出来る。さっきの犬にしても鈴がなったら餌をもらえると言う学習があってこそ唾液が出るのである。経験や学習こそがレスポンデント条件づけの基盤なのである。

参考文献

オペラント行動の基礎と臨床 異常行動研究会 川島書店 1985

学習の心理 実森正子・中島定彦 サイエンス社 2000


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