ロンドンスモッグ事件

出典: Jinkawiki

概要


 有名な大気汚染による健康影響事件の1つ。

 1952年の12月5日から9日にかけて、英国の首都ロンドンは高気圧のもとで安定な大気条件となり、濃霧に覆われた。ロンドンでは家庭の暖炉の燃料として石炭が用いられており、各住宅の煙突からの煙によるスモッグが激しく、ロンドンに特有の冬の気象条件によって地表付近に停滞したことによって特に酷くなった。厳寒による暖房用石炭燃焼の増加に逆転層による大気の安定が重なって大気汚染はピークに達し、その数日間だけでロンドン市内の死亡者数は通常よりも4,000人増加した。死因の大部分は、慢性気管支炎、気管支肺炎、心臓病であり、死亡者の多くは慢性呼吸器疾患を有する高齢者であった。

 ロンドンの汚染濃度は、環境基準と比べると10倍以上の高濃度汚染だったが、現在では日常的な濃度レベルの濃度に対する影響の疫学研究が進められている。 大気汚染による健康影響は喘息などの閉塞性肺疾患の有症率を上げることが明らかになっている。

 スモッグとは石炭による煙が自然に発生する霧と交わったものである。ロンドンスモッグ事件が起きてから、石炭の過度な使用によっておこるスモッグをロンドン型スモッグと呼ばれるようになった。


参考

EICネット [1]

国立環境研究所 [2]


ハンドル名:ごましお


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