古典的自由主義
出典: Jinkawiki
18世紀末から19世紀にかけての経済学的自由主義と政治的自由主義が融合した、個人の自由と小さな政府を強調する思想。「古典的」という形容は、より新しい、20世紀の自由主義(リベラリズム)や、それに関連した社会自由主義のような動きと区別するために、後から付けられた。伝統的自由主義、レッセフェール自由主義、市場自由主義、また英語ではリバタリアニズム、英米以外では単に自由主義(リベラリズム)と呼ばれることもある。
古典的自由主義は、特に個人の自律権 (sovereignty of the individual) を強調し、財産権が個人の自由にとって不可欠であると考え、人間の合理性、個人の財産権、自然権、自由権の保障、個人の拘束からの自由、政府に対する憲法的制約、自由市場、そして政府に財政面の制約を課すための金本位制を重視する。これらの価値は、ジョン・ロック、アダム・スミス、デイヴィッド・ヒューム、デヴィッド・リカード、ヴォルテール、モンテスキューらの書物で挙げられているものである。古典的自由主義の規範の中心となるのは、レッセ・フェール(自由放任)の経済によって、内在的秩序、すなわち見えざる手が働き、社会全体の利益となるという考えである。ただし、国家が一定の基本的な公共財(公共財となる物は、非常に限定的に考えられているが)を提供することには必ずしも反対しない。
19世紀末から20世紀にかけていったん廃れたが、20世紀に古典的自由主義の復活に寄与したと目されるのが、ルートヴィヒ・フォン・ミーゼス、フリードリヒ・ハイエク、ミルトン・フリードマンの3人である経済学的局面において、この復活は、主にその反対者から、新自由主義(ネオリベラリズム)と呼ばれることがある。なお、ドイツの「オードリベラリズム(ordoliberalism)」は、これとは全く意味が異なる。アレクサンダー・リュストウ(Alexander Rüstow)やウィルヘルム・レプケ(Wilhelm Röpke)は、レッセ・フェール自由主義者と異なり、より国家による介入を指向しているからである。古典的自由主義は、現代のリバタリアニズムと共通する面が多く、この二つの用語は、小さな政府を主張する人によってほぼ互換的に用いられている。
参考URL:http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8F%A4%E5%85%B8%E7%9A%84%E8%87%AA%E7%94%B1%E4%B8%BB%E7%BE%A9