外国人学校2

出典: Jinkawiki

目次

外国人学校とは

 国内にあり、在日外国人子女が通う国別に設置された学校のこと。学校教育法上では各種学校に含まれる。インターナショナルスクールや民族学校など様々ある。


現状

 外国人学校に通うことは就学の義務ではない。ただし二重国籍者に関しては、家庭事情等から将来外国の国籍を選択し得る、且つ他の教育を受ける機会が確保されていると認められる場合に限り、保護者と十分に協議し、就学義務の猶予又は免除が認められている。外国人学校は、国際的評価団体の認定を受けているもの、各種学校として、都道府県の認可を受けているものがある。これらの中には、本国政府からの認定や財政支援を受けている学校も存在し、また本国において日本の高等学校と同等の過程を持つものなどもある。学校では本国の言語や文化を学ぶ他、本国の言語を用いて学習を行う。日本の学校のカリキュラムや授業を導入している学校もある。  平成22年時点で外国人学校の数は全国198校。そのうち各種学校認可校が114校を占める。


問題

 日本の学校は学校教育法第一条に定められているため、「一条校」と呼ばれる。これは補助金や寄付を受けることが可能。しかし一条校は文部科学省の定めるカリキュラムを組む必要があり、外国人学校としての目標達成が不可能になるため、これを避けざるを得ない学校が多いのが現状。また各種学校の外国人学校の場合、例えば日本国内では卒業をしても正式な修業義務とは認められない、通学定期の割引対象外など問題が多数あった。しかし現在では様々な働きかけにより改善されつつある。一方、校地や校舎の自己所有などの基準を満たしていない、いわゆる私塾状態の民間教育施設で経済不況に陥ったものもある。その扱いが問題視され、各種学校の認可を目指す学校も増加した。 学校保健や公衆衛生に関する学校への情報提供の不足も挙げられる。健康診断に関わる公的支援も不十分で、外国人学校の法的処遇の遅れが子どもの健康に影響し兼ねない。インフルエンザの流行など感染症対策についても、正確に外国人住民に情報を提供できているのかは不確かである。これは非常時の緊急対応にも同様である。  そもそも、学校教育法や学校保健法などの教育関連法は、外国人学校の存在を想定しておらず、むしろ避けている傾向にある。外国人学校に対する文部科学省、厚生労働省、地方自治体での所管部署も未定。  このような状況のなかでも、外国人学校は急増した。しかし各種学校の認可基準が高く、書類を申請したとしても、各種学校制度自体が外国人学校の処遇のためにあるわけではないことから、根本的な改善にはなっていない。


解決に向けて

 まず外国人学校の活動の公共的観点からの位置づけ、運営の安定が必要。そのためには、準学校法人を設立し、各種学校の認可を取得することが今後の課題である。これらを取得することによって補助金や寄付を受けることができる。日本の学校は一条校であるが、都道府県によってこれらの認可に関する基準が異なることが分かっている。これが外国人学校の認可取得への妨げのひとつとなっている。しかし申請に関する書類等は共通点が多いため、基準の緩和や申請においてのハードルの縮小に取り組む必要がある。  また公立高校での外国人のこどもの受け入れ態勢が整っておらず、学習遅延や日本人の子どもの人権教育不足による厳しい差別に苦しみ、外国人学校に移った子供たちも少なくない。彼らにとって外国人学校というものは、公教育の不十分さからの安全地帯の役割を担っている。  これらについての正しい理解、評価が、今後の外国人学校の支援と外国人の子どもの人権保護に繋がる。

参考文献

「三省堂 大辞林」 http://www.weblio.jp/ 「文部科学省」http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo3/siryo/06070415/005.htm 「財団法人自治体国際化協会 多文化共生ポータルサイト」http://www.clair.or.jp/tabunka/portal/grow/elementary_school.html 「一般財団法人 アジア・太平洋人権情報センター」 http://www.hurights.or.jp/archives/newsletter/sectiion3/2009/03/--3.html


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