戦争論2

出典: Jinkawiki

『戦争論』(独: Vom Kriege)は戦争という現象の理論的な体系化に挑戦した著書であり、近代における戦争の本質を鋭く突いた古典的名著として評価されている。著者のカール・フォン・クラウゼヴィッツ(1780-1831)はプロイセン王国の軍人で軍事学者である。特記すべき業績としては絶対的戦争、政治的交渉の延長としての戦争概念、摩擦、戦場の霧、重心、軍事的天才、防御の優位性、攻勢極限点、勝敗分岐点などがある。


目次

背景

「ナポレオンを破った将軍」として知られるクラウゼヴィッツの戦争論は、実践の中から生み出されたものである。時に仏国ナポレオンの全盛時代であり、この時クラウゼヴィッツは後の独国当時プロシアの軍人として会戦し、幾たびも苦渋を味わわされ敗北を舐めさせられてきた。俗に、ナポレオンは軍略の天才であると云われているが、正確には類稀な戦争指導者つまりプロとして評価されるべきであろう。クラウゼヴィッツは、敗北の側にその必然を見た。この経過から、クラウゼヴィッツは対ナポレオン戦争に勝利する軍事論の必要を悟り、働き盛り知恵盛りの40代の殆どを『戦争論』の執筆に費やすことになった。


特質

クラウゼヴィッツの戦争論の特質は、戦争を客体化させ科学者の目で冷徹に分析したことにある。且つ群居する小国家の弊害から近代国家への移行を踏まえ、これに照応する軍隊論を確立したことにある。つまり、近代戦争の本質を近代統一国家の国家的利益を賭けて政治の延長として行なわれるものであるとの認識を獲得した。こうなると、戦争は単に勝ち負けを争うのではなく国益の確保という観点から複眼せねばならぬことになった。こうして、クラウゼヴィッツ流戦争定義として、「戦争とは、他の手段をもってする政治の継続である」が生み出されることになった。この言葉に見出されるその意義は、従来の戦争論の限界を止揚させ近代的脱皮させているところにある、と認められるべきであろう。 クラウゼヴィッツは、戦争とはそも何たるものかから説き起こし、その目的論、兵器論、戦略論、戦闘論、指導者論、組織論、人心論、情報論へと論理を多岐多様に進めた。


内容

戦争論の内容は8篇から構成されている

第1篇「戦争の本質について」

第2編「戦争の理論について」

第3編「戦略一般について」

第4編「戦闘」

第5編「戦闘力」

第6編「防御」

第7編「攻撃」

第8編「作戦計画」

クラウゼヴィッツの戦争4原則

クラウゼヴィッツの戦争論は大きく分けて、防御戦、攻撃戦、側面攻撃、ゲリラ戦の4つがある。

防御戦の原則

1.防御戦は、あくまでマーケットリーダーだけが考えるべきである。

2.最上の防御戦略は、自ら攻撃するだけの勇気を持つことである。

3.強力な競争相手の動きは、必ず封じること。

攻撃戦の原則

1.主として考慮すべきことは、リーダーの地歩(ポジション)の強さである。

2.リーダーの強みの中に弱点を見つけて、その弱点をたたけ。

3.攻撃は、できるだけ狭い前線で行うこと。

側面攻撃の原則

1.すぐれた側面攻撃とは、敵の虚を突く無競争の分野で行うこと。

2.戦術的に相手を驚かすことが、計画の重要な要素になっていなければならない。

3.攻撃もさることながら、追撃も同じように重要不可欠である。

ゲリラ戦の原則

1.防御できる程度の小さい市場セグメントを見つけること。

2.どんなに成功しても、リーダーのようには振る舞うな。

3.瞬時の内に逃げ出せるよう用意を怠るな。


参考文献

『クラウゼヴィッツと「戦争論」』清水 多吉 編, 石津 朋之 編 彩流社 2008年

Wikipedia http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%88%A6%E4%BA%89%E8%AB%96

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