新撰組

出典: Jinkawiki

  • 新撰組

 1863年、近藤勇・土方歳三らの浪士による武力組織組。浪士とは、もとと幕府が浪人を集めて作った団体である。1862年に組織された幕府の浪士組が分裂し、その一部が会津藩主で京都守護職の松平容保の支配下にあった京都の守護職の指揮下に置かれた治安部隊。隊員数は約60名。京都の治安部隊としては、他に旗本、御家人で構成された京都見廻組があり、浪士(町人、百姓身分を含む)で構成される新撰組は会津藩預かりという非正規部隊であった(後年、近藤ら幹部は幕臣となった)。新選組はいわば“佐幕派(尊王攘夷・討幕に反対して幕府の政策を是認し、これを助けたこと)の人斬り集団”であり、池田屋事件などで京都に潜伏する過激派尊王攘夷論者や不逞浪士の取り締まりにあたった(本当は捕縛することが目的なのだが、逃げようとしたり、斬りかかって来る不逞浪士があまりにも多かったため斬殺した)。最後は、戊辰戦争にて敗北する。 尊攘派とは、尊王攘夷派の略で、天皇を敬い(尊王)、外国人を追い払う(攘夷)という立場の人々のことを指す。

  • 背景

1854年のペリー来航により、国は大きく2つの考えを持つものに分かれた。一つは、異国の文化を貪欲に吸収し、自国の力をあげようという考え。もう一方は、幕府をお守りし、外国人を打ち払い、自国の文化を守るという考えである。時代は大きく変わろうとしていた。

  • 概要

文久2年(1862年)、江戸幕府は将軍・徳川家茂の上洛に際して、将軍警護の名目で浪士を募集した。庄内藩の郷士・清河八郎の建策を幕府が受け入れてのものだった。 翌年文久3年(1863年)2月27日、幕府は江戸近辺の浪士を集めた約200人の浪士組みを送り、壬生(京都市中京区壬生)を本拠地として京都の治安に当たらせた。浪士取締役には、松平主税之介、鵜殿鳩翁、窪田鎮克、山岡鉄舟、中条金之助、佐々木只三郎らが任じられた。京に到着後、清河が勤王勢力と通じ、浪士組を天皇配下の兵力にしようとする画策が露見する。浪士取締役の協議の結果、清河の計画を阻止するために浪士組は江戸に戻ることとなった。これに対し近藤勇、土方歳三を中心とする試衛館派と、芹沢鴨を中心とする水戸派は、あくまでも将軍警護の為の京都残留を主張し、京に残り、新撰組と名乗って、京都守護職の松平容保(会津藩主)の指揮下に入り、御所の警固や市中の見回りなど、志士弾圧の先頭に立った。 1863年、8月に起きた八月十八日の政変に出動し、壬生浪士組はその働きを評価され、新たな隊名を拝命する。ここに「新選組」が誕生した。また、同年9月に首領格であった芹沢が暗殺(芹沢は、大変酒癖が悪く、民衆にも多々迷惑をかけ、近藤達の悩みの種であったと言われている。そのため、暗殺は、近藤らが行ったとされている)されると、近藤(局長)と土方(副長)を中心に組織が整えられ、厳しい規律が定められた。 近藤は、天然理心流という剣術の達人で、土方もその教えを受けていた。その後、長州藩などの尊攘派志士を襲った池田屋事件で、新撰組の名は知れ渡り、以後、志士の恐怖の対象となった。やがて、幕府は倒されるが、新撰組は幕府への忠誠をすてず、鳥羽・伏見の戦いに参戦して破れ、組は事実上解散となった。江戸に戻った近藤は、旧幕府の甲陽鎮撫隊を組織するが、新政府軍に破れた。その後再結集を図るが、ついに降伏し、東京で処刑された。土方は、さらに会津などで戦うが、函館の五稜郭における戦い(1868年)で銃弾に撃たれ、死亡した。これにより、翌年旧幕府軍は陥落し、新政府と旧幕府軍の勢力間争いであった戊辰戦争は終わりを告げた。


  • 尊王攘夷論

思想内容は、皇室崇拝と、外国人排撃、上下の身分秩序確立、華夷の別を明瞭にすることなどが中心。発生は水戸学はで、初め徳川斉昭らが幕藩体制下の意味で提唱。開国による物価上昇などに対する下級武士の反幕的排外運動で頂点に達し、下級武士らの政治行動の理念となった。


  • 参考文献

2005年NEK大河ドラマ「新撰組」

「日本の歴史」小学館 児玉幸多(監修)

日本史用語集 全国歴史教育研究協議会(編)山川出版

超速日本史の流れ 竹内陸泰 ブックマン社

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%96%B0%E9%81%B8%E7%B5%84


  人間科学大事典

    ---50音の分類リンク---
                  
                  
                  
                  
                  
                  
                  
                          
                  
          

  構成