湾岸戦争10

出典: Jinkawiki

目次

概要

1990年(平成2年)8月2日にイラクがクウェート侵略を開始、国連は幾度にもわたって撤退を要求したが期限を過ぎてもイラク軍が撤退しないため米軍を主力とする多国籍軍がイラク空爆を開始して始まった戦争。戦いは1991年(平成3年)2月28日に終戦。

戦地 イラク クウェート サウジアラビア

参加勢力 イラクに対してアメリカ クウェート サウジアラビア イギリス エジプト シリア アラブ首長国連邦 バングラデシュ カナダ スペイン イタリア パキスタン カタール オマーン ベルギー モロッコ フランス ソビエト連邦

結果 アメリカを主力とした多国籍軍の勝利

戦争全体の経過

1990年8月2日イラク軍クウェートへ侵攻、首都を攻略し暫定政府を設置。 8月3日国連安保理がイラク軍即時撤退要求決議を採択。 アメリカ、ソ連はイラクに対して経済制裁を開始。 8月5日日本がイラクに経済制裁を開始。 8月7日米軍がサウジアラビアへ派遣される。「砂漠の盾」作戦 8月8日イラクがクウェート併合宣言。 8月9日国連がイラクに発言の撤回を要求。 8月18日イラクが外国人を拘束の声明をだす。 8月24日イラクが日・英・米の在クウェート大使館を包囲。 8月25日国連安保理が限定的な武力行使を容認。 8月28日イラクがクウェートを「19番目の州と宣言。」 9月9日アメリカ・ソ連の大統領がヘルシンキで会談。 9月25日国連がイラクへの追加制裁決議を採択。 10月29日国連がイラクの人権侵害と損害賠償責任を追及する決議を採択。 11月8日国連平和協力法案廃案確定。 11月29日国連がイラクに翌年1月15日までにクウェート無条件撤退を最後通告、従わない場合は加盟国の武力行使を容認とした。 12月7日イラクが外国人人質全員の解放を決定。 12月20日国連がイスラエル占領下のパレスチナ人保護に関する決議を採択。 翌年1991年1月3日アメリカ(ブッシュ大統領)がイラクとの直接対話を提案。 1991年1月6日イラクのフセイン大統領がクウェート撤退を拒否する演説を行う。同日にドイツが空軍をトルコに派遣。 1月9日ジュネーブでアメリカの国務長官とイラクの外相が会談する話し合いはまとまらず終わる。 1月16日国連が要求していた期日までに撤退することを拒否し期限が切れた。 1月17日多国籍軍がイラク並びにクウェート領内に空爆を開始。 アメリカ「砂漠の盾」作戦の開始を発表。イラクは「聖戦開始」と発表。 1月18日移動式スカッドミサイルをイスラエル領内に向かって発射。イスラエル全土に非常事態宣言発令。 1月20日イラクがサウジアラビアへミサイル攻撃を開始。 1月21日イラクが多国籍軍の捕虜を人間の盾として使うことを発表。 1月22日赤十字国際委員会が人間を盾として使うイラクの作戦をジュネーブ条約違反と言及した。 1月31日多国籍軍がカフジ奪回を宣言。 ローマ法王が「信じがたい暴力と無益な殺戮」と強く非難した。 2月9日イラクがフランスと外交断絶。 2月15日イラクの国営放送が「条件付きのクウェート撤退用意がある」と声明を発表。 2月17日韓国が多国籍軍に参加する。 2月26日イラクが26日中のクウェート撤退を宣言。アメリカ側は戦争続行を明言。 2月27日多国籍軍が首都クウェートの奪回に成功。 2月28日ブッシュ大統領が勝利宣言。フセイン大統領が戦闘停止を命令。湾岸戦争の停戦。


湾岸戦争症候群

湾岸戦争に参加した兵士に多く発生した関節痛・脱毛病・疲労感・記憶障害・白血病・癌などの症状の総称。原因としては戦いの中でイラク軍が使用した化学薬品、神経ガス等に耐えるために兵士に投与された試薬や油田の火災や石油の大量流失による大規模な環境汚染や劣化ウランだとされている。


日本への影響

湾岸戦争当時の日本はバブル景気の中であったため湾岸戦争による石油価格の高騰は好景気の日本経済を直撃した。日本もアメリカなどに物資等の供給などの裏方援助を行ったが戦地に兵士を1人も派遣しない姿勢をアメリカ並びに多国籍軍に参加した各国は批判した。更に、終戦後のクウェートの感謝決議に日本の名前が盛り込まれていないことなどは当時の日本人の多くに世界の価値観を痛感させた。この屈辱的外交を受けて当時の政権は自衛隊の海外派遣の実現へと足を踏み出そうとした。


参考文献

  世界史B改訂版-三省堂  明解世界史図説エスカリエ-帝国書院 湾岸戦争と国際連合-松井芳郎


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