関税

出典: Jinkawiki

関税

関税とは、近代国家が法律または条約上の協定により外国からの輸入貨物または外国への輸出貨物にかされる租税。日本に後者はなく、税関で徴収する。従量税と従課税がある。従量税とは、重量・尺度・容積・化学的成分・個数などを標準として税率を決定する租税のことを、課税対象物の価格を標準に税率が定められている租税のことを示す。タリフ(tariff)とも呼ばれる。海外で一定額以上の物品を輸入し国内に持ち込む場合には、入国時に購入額を申告しなくてはならないとされる。

これは、国内産業を保護することを目的とする保護関税と財政収入を目的とする財政関税に大別される。たとえば、1万円の商品を輸入するときに、関税率が50パーセントであった場合には、輸入した側の国内においては1万5千円で販売される。このうち5千円分が国家の収入となり、国内製品よりも関税分が高くなる。つまり、関税は国家の収入源であり、国内産業保護の役目や不正貿易防止の役割を果たすといえるのだ。 しかし、関税定率法の「個人用品特例」によって、実際の商品代金ではなく、その商品の卸値に準じた価格をもとに計算され、課税価格が1万円以下のものや書籍などに関しては、関税や消費税が免除になる。

◆関税自主権

国家が主権に基づき自国の関税を自主的に制定する権利。関税主権とも呼ばれる。これによれば、外国からの口出しを受けずに自主的に関税を定めることが可能になる。独立国に有するのが原則であるが、実際にこれを有し国定関税制度を完備する国は先進国に限られ、発展途上国では先進国との条約などによってこれが制限されることが多い。 近代国家で間では相互に認め合うことが普通であるが、幕末に欧米諸国が結んだ日米修好 通商条約においては日本に関税自主権がなく、その回復は領事裁判権の撤廃とともに明治外交の中心的課題であった。この交渉は失敗をくりかえしたが、1911年小村寿太郎外相の改正交渉で成功し、自主権を回復に導いた。


参考文献

「広辞苑 第5版」 岩波書店

「百科事典マイペディア」 日立システムアンドサービス

「日本史事典 三訂版」 旺文社

マネー辞典 http://m-words,jp/


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