養殖

出典: Jinkawiki

目次

養殖

定義

魚介・海藻などを生簀や、カゴ、縄などを使って人工的に飼養して繁殖させること(広辞苑より)

魚・貝・海藻などを池や生簀、いかだなどの施設で人為的に増やし育てること(大辞林より)


養殖の種類

海水養殖と淡水養殖がある。

海水養殖  

・陸上の養殖池

・地中養殖―廃止塩田を用いる( クロダイ、ボラ、スズキ、クルマエビ)

・区画養殖―海面を堤防や網で区切って行う(ブリ、マダイ、トラフグ)

・垂下式養殖―筏や縄を用いる(カキ、アコヤガイ、ホヤ、ワカメ、カイメン)

・縄やそだ建による養殖(ノリ、カキ)

・地撒き式養殖―干潟や浅海面を利用(カキ、アサリ、ハマグリ)


淡水養殖(内水面養殖)

・池中養殖(コイ、にじます、アユ、ウグイ、ウナギ、キンギョ、各種熱帯魚、スッポン、ウシガエル)

・水田養殖(コイ、ドジョウ)

・溜池

・干潟池

・河川での養殖(コイ、ボラ、フナ)


養殖の段階

養殖は紀元前のエジプトや古代中国で、魚を池で飼っていたという記述や絵が発見されており、古くから養殖は行われていたと考えられる。養殖の始まりの頃は「無給餌養殖」であった。これは餌をやらずに魚を育てるもので種苗である稚魚に、人工的に溜めた水の中に自然に繁殖した藻類やベントス(底棲生物群)などの有機物を食べさせれるという形が確立された。次の段階は「施肥養殖」である。これは、養殖池にあらかじめ有機質原料をまき、植物プランクトンを発生させてから稚魚を放つ方法である。無給餌養殖と施肥養殖は原始的な方法の養殖のため粗放的養殖と呼ばれているが、現在も世界の水産養殖の生産量6700万トンの6割以上がこの方法で養殖されている。

現代の養殖は、「給餌養殖」と呼ばれている。これは養殖魚に積極的に生餌や配合飼料を与えるものである。しかし、養殖密度が高く、食べ残しや糞が池底に蓄積され、排出水の汚濁や網生簀の水の富栄養化が周辺の環境汚染を引き起こすなどの問題も発生している。


日本の養殖

1982年に排他的経済水域が実施されるようになり(発行1994年)、世界各国の水産養殖量は年々増加している。日本は1996年にこれを批准している。日本の養殖はウナギやアユ以外の淡水養殖は減少傾向にあり、増え続けていた海産魚養殖も2000年をピークに減少傾向となっている。その一因として、海外から価格の安い魚が入ってきたことによって魚が売れなくなったことが挙げられる。養殖が減少傾向にあると同時に養殖業者の数も減り続けているのが現状である。


参考文献

百科事典マイペディア…「養殖」

広辞苑第5版.岩波書店…「養殖」

大辞林第3版.三省堂…「養殖」

中田誠(2008)「ぜひ知っておきたい 日本の水産養殖」幸書房


  人間科学大事典

    ---50音の分類リンク---
                  
                  
                  
                  
                  
                  
                  
                          
                  
          

  構成