ODA

出典: Jinkawiki

目次

定義

政府開発援助(Official Development Assistance)のことをいう。ODAと呼ばれるものには以下3つの条件を満たすものをいう。

①中央および地方政府を含む公共部門ないしその実地期間により、発展途上国および国際機関に供与されるものであること。

②発展途上国の経済・社会開発に寄与することを主たる目的とするものであること。

③グラント・エレメントが25%以上であること。


①については、援助関連国際機関への出資・拠出もODAに含まれる。

②については、例えば武器を途上国に給与した場合、それは援助ということはできても(軍事援助という意味で)、ODAではないということである。債務救済をODAに含めるかどうかで、グレーゾーンも存在する。

③のグラント・エレメント(grant element、GEと略されることもある)とは援助条件の穏やかなものを示す指標のことをいう。金利10%のように商業条件の貸付の場合は、グラント・エレメントが0%となり、贈与の場合には、グラント・エレメントが100%となる。グラント・エレメントが25%の基準に達していないものは、「その他の公的資金の流れ」(OOF:Other official Flows)と呼ばれている。




ODAの問題

日本の援助実績は1970年代には5~20億ドルだったのものが、1980年代にはいって急速に増大した。ドルベースのODAの実績は、1984年に40億ドルを超え、1986年に56億ドル、1987年には75億ドル、1988年には91億ドルに達した。1989年、日本ははじめてアメリカを上回って世界一になったが、1990年は再びアメリカについで世界第2位になった。

1992年度のODA の予算は、一般会計予算9522億円、事業予算は1兆6990億円である。日本国民1人あたり約1万4000円以上を途上国の人々に給与していることになる。

にもかかわらず、わが国では確固たる援助政策も確立されていないのが現実である。




援助の使い道

二国間援助の場合、ダムとか発電所といった個別プロジェクトに対する援助が大半を占めている。これをプロジェクト援助と呼び、個別プロジェクトを特定しないノンプロジェクト援助と呼ぶ。

プロジェクト援助の場合、例えばダム・発電所のプロジェクトだとすると、原則としてそのプロジェクトに必要とされる資金全部を援助するわけではない。そのプロジェクトのうち、発電機のような輸入しなくてはならない分についてのみ援助し、ダム建設のための労働費用といった現地で調達できる分(これをローカル・コストという)については、基本的には途上国政府がその開発支出のなかから賄うのがこれまでの原則である。しかしながら最近では、このローカル・コストについても援助する場合が増えてきつつある。




日本のODAの地域配分

アジアに対する日本のODAの給与が日本国のODA の合計の60%弱と圧倒的に大きい。1980年代には70,5%に低下し、1980年代はおおむね60%台で推移してきている。

これは明示的であるかどうかはともかく、ヨーロッパの先進国がアフリカの途上国の開発に対して責任を負い、アメリカがラテンアメリカの開発に、日本がアジアの発展途上国の開発に第一義的な責任を負う、という縦割り的考え方もある。




参考文献

小浜裕久  1992  「ODAの経済学」  日本評論社

鷲見一夫  1989  「ODA援助の現実」  岩波新書

土屋清  2003  「2003新現代社会資料」  実教出版   325♢


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