「子どもと家族を応援する日本」重点戦略

出典: Jinkawiki

この重点戦略の基本的な視点は人口推計における生涯未婚率は23.6%、夫婦の出生児数は1.69人であるが、一方で国民の希望は9割以上の独身男女が結婚したい希望を持っており、夫婦の希望子ども数も二人以上と結婚・出産・子育てに関する希望と現実が離れている状況がある。重点戦略は「働き方の見直しによる仕事と生活の調和(ワークライフバランスの実現)」と「包括的な次世代育成支援の枠組みの構築」を「車の両輪」として同時並行的に取り組んでいくことが必要不可欠であるとされている。 仕事と生活の調和では、2007年度末に、政府、経済界、労働界のトップと地方の代表者、有識者から構成される、「ワークライフバランス推進官民トップ会議」が「仕事と生活の調和(ワークライフバランス)憲章)」及び「仕事と生活の調和推進のための行動指針」をまとめた。この憲章及び行動指針では、①就労による経済的自立が可能な社会、②健康で豊かな生活のための時間が確保できる社会、③多様な働き方・生き方ができる社会を目指すべきとし、10年後の社会全体の数値目標を設定し、企業、労働者、国民、国、地方公共団体の各主体が取り組みを推進している。 包括的な次世代育成支援の枠組みは3つの柱での構築が目指されている。1つは親の就労と子供の育成の両立を支える支援では、出産しても働きたいと希望する女性は高まっているのにもかかわらず、出産を機に退職し、乳幼児を持つ母親の就業率が低く留まっている現状を改善するために、家庭的保育など保育サービスの提供手段の多様化、保育所から放課後児童クラブの切れ目のない移行が挙げられている。2つ目は、すべての子どものすこやかな育成を支える対個人給付・サービスとして、一時預かりをすべての子ども・子育て家庭に対するサービスとして再構築、(一定のサービス水準の普遍化)、3つ目は、すべての子どものすこやかな育成の基盤となる地域の取り組みとして、全戸訪問の実施、地域子育て拠点の整備の各種地域子育て支援の面的展開、安全・安心な子どもの居場所の設置が掲げられ、すべての家庭をカバーする子育て支援であり、地域の育児力が問われ、家庭における子育てを支える保育や地域の育児支援の充実を意図している。

参考文献:汐見稔幸(編)「子育て支援シリーズ第1巻子育て支援の潮流と課題」ぎょうせい、2008 大日向雅美(編)「子育て支援シリーズ第3巻地域の子育て環境づくり」ぎょうせい、2008 内閣府「平成21年度少子化社会白書」佐伯印刷株式会社、2009


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