うるう秒
出典: Jinkawiki
うるう秒
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うるう秒とは
現在、世界の時刻には昔からの方法で決められる「協定世界時」と原子時計による「国際原子時」がある。厳密な原子時計、「国際原子時」にもとづく時間と不規則に速度がかわる「地球の自転」にもとづく時間の間に生じたずれを解消するために導入されたものである。 1日の長さは普通に考えると60秒×60分×24時間=86400秒である。ところが地球の自転にもとづく1日の時間は86400秒ちょうどではないという。1935年頃からは、86400秒より長い時間が続いている。自転速度が不安定なのは、月の重力や海流などの影響だと考えられているが、はっきりとした理由は分かっていない。原子時にもとづく時計とのずれが1秒以上開かないように、うるう秒による調整が行われている。 うるう秒の挿入は世界同時に、各国の標準時に対して行われている。日本では2015年7月1日、3年ぶり26回目のうるう秒の挿入が行われる。うるう秒による標準時の調整は1972年以降、不定期に実施されている。7月1日の午前8時59分59秒の次に8時59分60秒という普段は存在しない1秒が挿入される。
うるう秒の及ぼす影響
通信技術が高度化した現代では、不定期に実施されるうるう秒によって深刻な問題を引き起こすことがある。前回挿入された2012年には、海外の航空会社でシステム障害が発生し、飛行機の離着陸に影響がでた。うるう秒前後でシステム間の時間のずれや障害が発生しやすくなる。しかし、パソコンやスマートフォンなどは時刻が自動的に補正されるため問題はないようだ。
うるう秒への賛否
上記のようにうるう秒が通信機能へ及ぼす影響は小さくない。そのため、日本やアメリカを含む先進国多くは、うるう秒の廃止を求めている。しかし、イギリスやロシアでは存続を希望している。イギリスにはかつて時刻の基準地であったグリニッジ天文台が存在していたり、あるいは子午線があったりと天文時に対する強いこだわりがあるようだ。そのため現在イギリスでは、このうるう秒を存続してその上でうるう秒を廃止した時系・時刻を新たに導入して、2つの時刻を一緒に使おうということを提案しているようである。
参考文献
・Newton 2015年8月号 株式会社ニュートンプレス
ハンドルネーム:DIADORA