お雇い外国人3
出典: Jinkawiki
日本の近代化過程において、江戸幕府および諸藩、続いての明治政府や民間の会社・学校などが、 ヨーロッパ、アメリカの先進文化を急速に移入するために、各分野・部門にわたり指導者ないし教師として雇用した外国人のことをいう。
[歴史]
お雇い外国人の先駆は、1855年(安政2)開設の幕府の長崎海軍伝習所にきたオランダ海軍士官・水夫たちである。 1860年ごろから蘭学が廃れ、英語を中心とする洋学が始められるようになると、 長崎、横浜などの幕府諸機関や薩摩藩などの洋式工業の経営に欧米人が雇用されるようになる。 やがて明治政府の手によって、富国強兵・殖産興業をスローガンに 、全面的にヨーロッパ、アメリカ文明の長所である近代的諸制度、科学、技術などの移入が急務とされるに至って、 様々な分野で採用され、政府雇い外国人は、1874~75年(明治7~8)がもっとも多数だった。
[外国人の多く雇われた分野]
・政治
・法制
・軍事
・金融
・外交
・財政
・産業
・建築
・科学
・美術
・音楽
などがある
[お雇い外国人の主な国籍と職種]
・イギリス(鉄道、電信、鉱山、海軍教育)
・フランス(造船、陸軍教育)
・ドイツ(教育、医学教育)
・アメリカ(教育、開拓)
[主なお雇い外国人]
・フェノロサ(日本美術復興)
・コンドル(東京駅建築)
・モース(大森貝塚)
・クラーク(札幌農学校)
[参考文献]
梅渓昇ほか(1994)「日本大百科全書」小学館