ごみ減量
出典: Jinkawiki
なぜ、今、ごみの減量が求められているのか
・答えを知るためには、日本のゴミ処理の歴史を少し振り返る必要があります。日本の都市で本格的にごみ処理が行われ始めたのは、明治時代になってからである。その背景にコレラ等の伝染病対策があり、可能な限り街中を清潔に保つ必要があったわけで、腐敗性の汚物は速やかに焼却するのがよしとされた。この体制はゴミが急増されても維持され、出てくるゴミを焼却炉を増設して対応してきた。しかし、これが地方自治体にとって大きな負担となり、また、ごみの中身も腐敗性の生ごみ以上に紙やプラスチックなどの使い捨ての製品が多くを占めてきたこと、さらに地球資源の枯渇問題がクローズアップされてきたことなどから、これまでの焼却、埋め立てのゴミの処理体制の見直しが求められることになった。
ごみの減量と地球環境問題
・環境問題が深刻になってきた背景にはこれまでの「大量生産・大量消費・大量廃棄」の社会システムがあると指摘される。確かに、日本人のこれまでのライフスタイルを世界中の人が行うと、資源やエネルギーの面で地球が2.5個必要になるといわれている。その意味で、大量生産、大量消費の結果であるごみを減らすことは、資源やエネルギーの消費を減らすことにつながる。ここにごみ減量の必要性がある。さらに、地球温暖化をはじめとする地球環境問題とごみの関係に言及すれば、ごみを処理する過程でCO2を排出するが、実はそれ以上にごみn元である商品を作る過程で大量のCO2を排出している。ゆえに、ごみを発生させないごみ減量対策は地球環境問題に大きく貢献する。
これからごみ減量への取り組み
・これからの環境問題への取り組みにおいては市民、事業者、行政が各々の役割において責任を果たしつつ、協力できるところは協力する、いわゆるパートナーシップが重要である。ごみ問題についてもしかりである。特に事業者と市民との取り組みが重要である。事業者はできるだけ環境に良い製品を作ることが求められるし、消費者もできるだけ環境に良い商品を選ぶ必要がある。専門的な言葉でいうと、事業者には拡大生産責任や製品アセスメントが求められるし、消費者はグリーンコンシューマーになる必要がある。行政は事業者や市民の環境への取り組みを説教区的に支援する取り組みを作り、それらを普及することを行うべきである。ごみ減量化の視点では、事業者、市民、行政の三者が次の節で述べる3R 活動に積極的に取り組むことが必要であり、中でも、資源やエネルギーを浪費せずに同じサービスが受けられるリース、レンタルシェアリングなどの仕組みが期待される。要はごみになる前の製品、商品の段階でごみ問題に取り組む必要がある。
参考文献 よくわかる環境教育(水山光春)