しんかい6500
出典: Jinkawiki
しんかい6500とは、海底6500mまで潜水が可能な、日本が開発した有人型潜水調査船である。 世界の常識として、6000mまで潜ることができれば、世界中の海のの98%の海域で潜航調査を行うことができるのだが、日本の深海研究にとっては、この残りの2%こそが大切であった。なぜなら、その2%とは特別に深い海、つまり海溝であり、日本海溝の例で分かるようにそこでは大きな被害を与える自信が繰り返し起こっているからである。地震調査が重要だと、日本は考えているので、6000m級以上潜れる潜水艇の開発が行われたのだ。そしてできたのが、「しんかい6500であった。これがその名前を命名され、その母船「よこすか」とともに、1990年に海洋科学技術センターに引き渡された。その建造に際して最も工夫を凝らされたことは、潜航・浮上の時間をいかにして短くできるかということだった。いろいろな議論の結果、上昇・加工の際に最も抵抗の少ない潜水船の形状を風洞実験によって選び、「しんかい2000」の約2.5倍の速さで沈降・浮上できるようにした。これによって6500mの海底で約3時間の調査ができるようになったのである。潜水船は全長9.5m、高さ3.2m、幅2.7mと十分に小型にまとめられ、重量も耐圧殻をチタン合金とすることによって約26トンに収められた。
{参照 「深海に挑む」 著:堀田宏 出版:裳華房}